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Red 島本理生の小説の3行あらすじとネタバレ
注意※結末まで書いてます。
2021年8月 映画の感想を下に追記しています。
目次
Red の小説のあらすじとネタバレと感想
他人から見たら幸せそうな家族。というのを地でやっていた塔子。
そんな塔子は恋愛を繰り返しながら、所詮、坊ちゃんと結婚した。
それまで塔子は家に帰ってこない父(学者)とうんざりするような母と過ごしていた。
他人から見たら幸せそうに見える家庭を、強制的に作り上げている夫の家族とは合うわけがない。世間体が命の田舎の人のようだが、小説の設定は都会。どこにでもいるんだなと納得しますね。自分が心地いいというよりも、世間体だけが大切なのよ!世間体だけで生きてるのよ!って人は、周りを不幸にしてしまう。
小説の冒頭で昔、塔子が付き合っていた鞍田に犯される。
犯されると言っても塔子の心境的にも同意の上だろう。とにかく強引なこの鞍田。
鞍田と付き合ってるといっても、鞍田の気持ちは塔子にはイマイチわからないまま強引に付き合ってたと言っても過言ではないだろう。もちろんそんな手に入りそうで手に入らない男が塔子は好きで止まなかった。
再会しても当然消化不良を起こしていた気持ちが湧きおこるだけ。
鞍田という男は地位も名誉も金も手に入れている男だ。
一方塔子の旦那は、同居して押さえつけて、家族の部品のように扱って、夜は自分だけフェラして抜いてくれれば満足!という子供のような男。(糞だな。)
そして塔子は鞍田の進める会社に入社し、不倫を繰り広げる。旅行までして。
塔子の事を好きになる会社の若い男もこれまた、地位も名誉も手に入れた、振る舞いもスマートな男だ。
よく思うんだけど、すべてを手に入れてる男って振る舞いもスマートで余裕があるからモテるんだよな。
しかし、ある日鞍田の病気が発覚する。
塔子と付き合ってた時に発覚し、それで別れたという事も知ってしまう。
そして本当に仕事で家に帰れなくなった時、家に電話すると誰が家の事するんだよ!と夫に怒鳴られる。
もう限界!
と思った塔子の前に現れたのは瀕死の状態の鞍田。この時鞍田は体力的にも限界だが、塔子が鞍田に電話してしまう。鞍田は10時間かけて塔子の元に現れる。
しかし鞍田はそこで別れる。次の週からまた病気が再発して死ぬ可能性の方が高くなったからだ。しかし塔子には言わない。
もうええやろ。
的なことを思い始め、塔子は娘を連れて家を出てしまう。
三人で暮らそうといいつつ、姑には俺はそんな気ないんだけど~~~なんて八方美人的なことをぬかす夫には興ざめ。姑は常に自分ちが正しい!と押し付けている人。塔子の家のことは嫌味ばかり。
無視していると塔子の家には童貞で結婚したから何もわかってなかったんです。と言い訳する僕ちゃんが待っている。そしてそのことを塔子に手紙で書いてしまう。
・・・そのあとなぜか、塔子は三人でマンションで暮らしている(私は納得できない!!!!)
鞍田の病気のピークは終わったものの、後は緩やかに余生を過ごしている。
そして子供を連れて、余生を過ごしているという鎌倉の一戸建てに会いに行く。いつ死ぬかわからないから、コンパクトに生活している。
子供を連れて行くと、浜辺で犬の散歩をしている鞍田の姿が。
「君の子を見たかった」といい、塔子の子供を抱き上げる鞍田。(ここ感動)
ただ単に、塔子の子供を見たかった。というここまで深い思いが見える状況とセリフにやられた!
興味本位ではなく、相手を思うからこその本心。
そしてそこでも塔子がやんわりと鞍田との終わりを告げる。(なぜなんだ!)
自分なら最後まで夫は選択しない。
絶対にしない!
よく似た記事:ハピネス・ロンリネス 桐野夏生の小説のネタバレと感想
Red の映画の感想
映画を見る前にインスタで小説とは結末が違うと聞いていましたが、これはこれでどうなんだろう…?
とりあえず、はじめは夏帆がミスキャストだ……と思ってイライラして見ていたが、最後にはばっちり決まっていたのでうまいなあ!と感心しました。
あと、柄本佑、かなりばっちり決まっていました!
心が病んでる時ってああいうずけずけ物言って、踏み込んできてくれる人に惚れるわ(笑)
さて、映画の感想です。
Red の映画 3行あらすじとネタバレ
注意※結末まで書いてます。
枠にはまった人生を歩んでいる塔子。世間体には完璧だが「自分が正しい」事だけを押し付ける夫、そして同居の息苦しい毎日。大学生の時に燃えるような恋をした鞍田と再会し、当たり前のように復活。鞍田の元で仕事を始め鞍田が病気で去って行った事を知り激しく後悔。塔子は家族を捨て鞍田の死を見届ける。中から見た外より外から見た世界を選ぶのでした。
豪華なおうちに住みながら、かいがいしく家族の世話をする塔子。
同居でありながらも広すぎて、行き詰まりも感じにくそうなそんな大きな豪邸に住んでいます。
祖母もかいがいしく孫の世話をし、とにかく「問題の無い家族」ということだけを全うしている変な家族。こういうの息苦しいわー。
そして夜は、小説と同じで夫だけ満足して寝るパターン。(ココ重要!)
夫のパーティに奥様同伴で付いて行くとそこには、鞍田の姿が。夫のパーティなのに!つい追ってしまい、隠れ部屋でそのまま情事を済ませます。
その後、建築関係の仕事をしていた鞍田は、同じく建築の仕事をしていた塔子に仕事を復帰させます。
自分が勤めていた会社は辞めて雇われているという事で、その会社に入れるのでした。(小説ではITだけど建築になっている)
そこで出てくる柄本佑、塔子を狙ってがっつりアタック。
塔子も塔子でキスされたら「もっとちゃんとしな!」っていうし、塔子もひとりの女なんだなという事を見せつけられる一面です。しかし一応既婚者。見る人によってはただの軽い女に見えてしまう……。
柄本佑は、塔子に本音でぶつかるから、塔子も本音でぶつかれるのが心地よかったので緊張の糸が緩んだ瞬間でした。
柄本佑は透子が鞍田と付き合ってるのを理解します。
一方、夫を含む家族は塔子が仕事しているのも、家庭を疎かにしているのも気に食わないのでした。
普通仕事に行けば、これまで通りには行かないと思うんだけど、夫は仕事に行くにも反対なのでことあるごとに仕事を辞めろと言ってくる。
自分だけ満足させてもらって寝てるくせに、「俺、男の子が欲しい」ってどの面下げて言っているのか(笑)娘のみどりは、自分だけ処理してもらっていてできてしまったのか?マリア様かよ!なぜ塔子も突っ込まないのか。
途中で塔子の家に、塔子の母も招いて食事するんだけど、塔子の母(余貴美子)が「息苦しい」「嘘ついてまで家族ごっこして楽しいのか」「あんたがそれでいいならできる範囲では手伝う(来る)けど」「あんたほんとにあの男のこと好きなのか?(しょーもねー男だ)」と言って帰るシーンがある(笑)ほんとにワンシーンしか出てこないのに、とてもはまっていた!さすが余貴美子だ!
クリスマスの夜に、家族でパーティを過ごした塔子は夜中に抜け出して鞍田に会うのでした。
鞍田は塔子と付き合っていた時(当時鞍田は既婚者だった)大事にしていた本を塔子に託します。それを見た塔子は、鞍田の死期(白血病)が近いことを知ります。
年が明けると鞍田は入院していました。
その仕事の穴を埋めるべくある日、柄本佑と雪の積もる新潟に仕事に行く事になり、これまた塔子は夫の反対を押し切り柄本佑と新潟に行きます。
そして大雪で帰れなくなって、電話で夫と押し問答したあげく夫は一方的に帰ってこいと言い、幼稚園のお迎えにも間に合わないのに塔子は「朝までに帰る」と言います。
ここちょっと、おかしい。
幼稚園のお迎えに祖母がいけないというのに、夫も行けないと言うのに、朝までに帰るってなんだ?
新幹線も電車も通行止めになっている大雪の中、トボトボと歩いて帰ろうとする塔子(普通は寒いしさっさと歩くのでは?)。
するとそこには鞍田が車で迎えに来ていました!
夫に公衆電話から電話すると、罵倒しか飛び出てきません。
「俺は家族の事(俺の事だけを)を考えて!」という夫に「私、あなたの電話無視したこと無い」という塔子。
「無視すればいいのに」と思う私。
夫は「クリスマスの夜どこ言ってたんだ!」と初めて突っ込まれ、塔子は初めて自分から電話をガチャ切りします。
そして鞍田と塔子は情事を済ませます。多分最後の情事。顔ばっかりの情事。ガッツリ行くのも死にそうな鞍田が相手だから美しく済ませます。
「いつか見てみたいな、君がつくった理想の家」と鞍田が言いますが、これは小説の「君の子供を見てみたかった」の代わりなんだろうなと思った。脚本上。
そして二人は東京に向かいますが、鞍田は途中で血が止まらなくなり、飯屋で休ませてもらいます。
飯屋で奥さんにたばこを勧められて吸う塔子でしたが、ずっと吸ってなかったのに普通に吸ってるのが違和感。このシーンは無くても良かったのでは?
それとも、結婚する前は普通に遊んでた子でしたアピール?
それにしては左利きのなんの特徴もないような女を嫁に向かえる夫の家柄って?
だから父が女と逃げたことも隠して、夫の実家には学者の父は海外で仕事している事にしているんだろうけど、もともと無理して結婚したから無理が出るんでは?
まあ、そういう細かいことは置いておいて、鞍田の代わりにたくましく塔子が運転して東京に向かいます。
寝ている鞍田に塔子は
「鞍田さん、一緒にいきましょう」
と言いトンネルを通って行きます。
※この一緒にいきましょう。は生きましょうなのかな?と後から思った。そしてこれが塔子の決断だったのです。
Red映画の結末と私の考察
そしてシーンは変わって、喪服を着た塔子の事を夫と子供が迎えに来ていました。
幼稚園児だった子どもはわざわざランドセルを背負ってきて(笑)いたので、年月が経ったという演出をしたかったのでしょう。
子どもはわざとらしく塔子に「一緒に帰ろう」と言って泣きますが口だけ。泣きますが、塔子に抱きついたりはせず、口だけ。
夫も塔子の傍にも寄ってきませんでした。(やっと空気読めたのか旦那)
塔子はあの後、鞍田を見届けて鞍田の葬式?だったのです。
多分家族の反対を押し切って、ずっと鞍田と添い遂げたのだろうと思います。
塔子は、鞍田が病気で自分から身を引いたのを知らずに、鞍田の事を勝手に諦めて体の良さそうな夫と結婚してしまったことを本気で後悔したのでしょう。
「人の気持ちも知らないで!」と口にされるのと自分で気が付いてしまうのでは、天地の差があります。
そしてそのまま塔子は子どもと夫を置いて一人で歩いて行くのでした。
おしまい!
映画を見る時に、3回に分けて見た。はじめは本当にミスキャストだと思ってイライラしてみてたけど、最後は塔子が可愛く見えるマジックにかかってしまい、後半は一気に見た。
しかし展開早すぎて小説を読んでいなければ、わからないんじゃないだろうか?
どっちが好きかと言われれば、小説の方が好きだけど(夫を選ぶのは無しだけど)映画は映画で好きかな。
塔子も、「私、あの家の奥様なの!キラリーン!」みたいに自分の位置をもっと嬉しがっているような頭の弱い子だったら、金持ち設定のバカ夫ともうまくやれたんじゃないかなと思う。
そもそも似合ってない。
塔子の嫁いだ家はあの家の奥様。というキーワードにふさわしいほどの豪邸だ。
大抵、あの家の奥様に甘んじているような子は頭が悪い。
妻の頭の悪さはは子どもの頭の悪さに直結する。
妻のペラペラさは、子どものペラペラさに直結する。
それでいうと、塔子の子供は賢くなるだろうけど(塔子の想う通り育てれば、家族の思うような軌道に乗せればそこそこまでは行ける)、ここの夫は賢くてよくいう事を聞く家族以外に自信のないような妻がお似合いだ。
もうひとつ言いたい。子供は旦那が離さなかったから連れていかなかったの…?連れていってあげて欲しかったな。
妻夫木はピッタリすぎて可もなく不可もなくという所にはまっているのもなんとも。
色々と思う事がある映画でした。