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凍てつく太陽 葉真中顕 の小説のネタバレと感想

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はまりっぱなしの葉真中顕。次は凍てつく太陽を読んでみた!

感想を書いている物以外にも、コクーンやロストケアも読んだけど、この人は本当に時代背景の書き方が私にマッチする。

この凍てつく太陽は、第二次世界大戦中のアイヌと日本人のハーフの話で、こないだゴールデンカムイを読み返した私に、凍てつく太陽はこれまたヒットしてしまった。

凍てつく太陽の3行あらすじとネタバレ

※超ネタバレなのでネタバレ注意

アイヌ人の母と日本人の父を持つ八尋が北海道を舞台に第二次世界大戦の中特高警察(日本の秘密警察)に。室蘭の壮絶さ、戦争の壮絶さ、差別の壮絶さを乗り越えながら「カンナカムイ」(ウラン爆弾)を止め、憎き相手だったヨンチュンとまだ見ぬ未来へと歩き出す

凍てつく太陽のあらすじ

アイヌ人の母と日本人の父を持つ八尋。

第二次世界大戦真っ只中、秘密警察「特高」に任命中です。

タコ部屋に入ったり、スパイを見つけたり何でもこなします。

時代背景と北海道が舞台なだけに、ゴールデンカムイに出てくる「脱獄王白鳥」も出てくる(笑)

白鳥はほんとに実在した人だからなあ。

そしてアイヌの文化や、当時の室蘭の情景を見事に表せながら話は進みます。

八尋は子どものころアイヌの村で暮していました。

その頃のアイヌは日本という国を受け入れ、日本の文化を受け入れる体制ができていました。

いわゆるホントの共存を目指して。

しかし戦争が始まり、若い男たちは戦争に向かいます。

八尋と一緒に育った利市もガダルカナル島に派遣され地獄を見ます。

秘密警察でごたごたしている間に、利市が戦死しただの帰って来ただの。

そして、室蘭の秘密工場では次々と殺人が起こります。

それは利市の仕業だったのでした。

そんなこんなしている間になぜか濡れ衣を着せられて刑務所に入れられる八尋。

タコ部屋時代に陥れたヨンチュンと同じ部屋に入れられます。

八尋は手酷いリンチに会いながらも脱出する方法を編み出します。そう!白鳥を軸に考えるのです。

一人では無理だと思った八尋はヨンチュンに朝鮮語で持ちかけ、二人は協力することを約束し実行します。

しかし、最後の詰めが甘くて失敗に終わりそうだった時に、同じ部屋に居たロシア人の元スパイに助けられ三人で脱獄に成功します。

ロシア人は余命が後少しだと実感しており最後に故郷が見たいと願っていたのでした。

人生、そして戦争論をサラリと語りながら(ここ必読!)一人、故郷へ向かいます。

八尋は「俺の使命」を果たしに、ヨンチュンは飯場に居た京子に会いに。

とりあえず八尋が子どものころに過ごしたアイヌの村に向かいます(ここもスゴイ!)。

アイヌの村には長老だけが住んでおり、利市が来て八尋に手紙を置いて行ったといいます。

ここでヒグマがやって来て三人を襲います【なんという濃い小説なんだ!】と思いつつも死なない確信あり(笑)

手紙には自分の手でこの国を亡ぼすとあり、「カンナカムイ」というウラン爆弾を爆発させることを記していました。

急ぐ八尋。

利市を止めなくては・・・!

一方で他の特高は、利市の嫁を特定。

嫁に吐かせてこちらも急ぐ特高。

工場の手前でヨンチュンは京子を助けに行くので分かれる。「お前の事まだ恨んでるから次に会う時に殴らせろ!」と言い残して。

しかしそこでカンナカムイのある工場に着くと、すぐに北海道初の空襲が始まってしまう。

てんやわんやの中、利市にたどり着くと、利市はなぜか同じ特高の刑事。

顔も人も違うではないか・・・!

と思いきや、ガダルカナル島で利市と共に過ごした戦友で、最後は利市の屍を食べた能代が一人二役(人物的には能代、嫁的には利市の肉を食べたのだからあなたは利市!的な・・・。まあ利市の意思を継ぐという感じ)していたのでした。

えーーーーー!

と思うもののそこでウラン爆弾を作った博士が「歌舞いてただけで今の日本でそんなもん作れるか。俺はそんなに利口じゃないけど、この中じゃ俺が一番詳しかったからどうとでもなったんだ。中身は空っぽ!」と暴露し、能代に殺される(笑)

博士みたいなのは今も小さな会社や事業所なんかでもいそう(笑)

そして色々絶望している能代と利市の嫁は八尋に殺してくれ・・・というものの、そこで空襲が工場を直撃!

八尋も能代も利市の嫁も巻き込まれる。

八尋もそろそろ天国か・・・・と思っていた時にヨンチュン登場!

ものすごい勢いで助け(二人とも脱獄囚です)、八尋無事に生還。

その後戦争は終わり、簡易的な裁判の後八尋は解放されます。

一人になった八尋を迎えに来たのはヨンチュンと京子でした。

そしてヨンチュンが闇市の経営をしているので八尋に手伝えと誘います。

ヨンチュンは着る物は変わるけど、どこに居て何をしていても自分は自分!のような事を上手い事言って、八尋もヨンチュンを手伝うのも悪くないなとどこか間抜けな八尋は思うのでした。

結果として色んな事もあったけど、幸せな人生になりそうな予感…!?

おしまい!

凍てつく太陽の感想

濃い!とても濃い話だった。

それでいてスラスラ読めるけど、同じ世代だからか軽く見える。どこかで聞いたことのあるような話ばかりだからなのか?

けど読んでしまう。

ああ、葉真中顕、なんという魅力なんだ!

凍てつく太陽は、私にしては読むのに時間がかかった。

いつもは一日で読んでしまうけど、色々思う事があり調べたり反芻したりしてじっくり読んだ。

良かった・・・良かったよ!

葉真中顕の、次は何を読もうかな~。

絶叫が今の所一番好き

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