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オーバー・フェンス の3行あらすじとネタバレ
注意※三行で結末まで書いてます。
函館三部作である佐藤泰志の小説『黄金の服』に収められている短編作品の中のひとつ。
ちなみに『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』『オーバー・フェンス』の「函館3部作」の二作目の映画である。
今はこの本が凄く読みたい・・・。
オーバー・フェンス のあらすじとネタバレと感想
東京で妻子と別れバツイチとなった白岩(オダギリジョー)は故郷である函館に帰ってきます。
妻子とはうまくいかず、仕事を言い訳にして家庭をあまり見てなかった白岩はある日、家に帰ると妻が子供の首を絞めていたのが原因です。
函館で1DKの部屋を借り、無機質に生活する毎日。
失業保険をもらいながら、大工の職業訓練に通いだします。
職業訓練では年齢も世界も様々な人がいます。
大学を中退してきているもの。仕事がうまくいかず来ているのにも関わらず、男なのにマウントを取り出す人など。
白岩は呑気に学校へ行って、呑気に弁当とビールを買い、のんびりと自分のなにがいけなかったのかを考え出します。
ある日弁当を買った帰りに、鳥の求愛を真似しながら中年の男に怒る若い女性(蒼井優)の姿がありました。関わりたくない白岩はスルー。
また別の日、仕事が失敗しているから職業訓練に来ているのにもかかわらず、飲みに行こうと誘ってくる代島。
何度も誘われるので一回くらい行っとこうか。みたいなノリで付いて行く白岩。
そこにあの時の奇妙な女が居ました。
女の名前は「さとし」です。
さとしは「親のこと悪くいわないで。頭が悪いだけだから。」
とサラッと言います。
この言葉は自分的にかなり衝撃で、キラキラネームの子たちもサラッと言えるように練習しといた方がいいと思ったのは私だけなのかしら?
そして代島はさとしのことをヤリマンだの、白岩にさとしと寝てくれと言います。
営業だった代島は女を差し出して成績を上げていた・・・から首になったのでしょう。
その上、さとしとスポンサーにスナックを出すのを任せるから白岩は店長をしてくれと言いだします。
店を出た白岩を強引に連れて帰るさとし。ごたごたしますが結局寝ず。
家に帰った白岩は妻の父に、もう妻(子)の事は忘れてくれ。こっちで大切に育てるから。という手紙をもらい燃やします。
代島はさとしのことをヤリマンだの誰とでも寝る女だのとののしります。
(そこのみにて光り輝くにもこういう男のシーンあったけど函館ってこういう街なの!?それとも自分が住んでる世界が違うだけ?)
なんだかんだあって、さとしと白岩はさとしの家で寝ます。
さとしは心のバランスを失っていて(多分代島みたいなのに馬鹿にされすぎていて)台所で自分の体を洗い出します。
きっとさとしは自分の事が汚いと思い込んでいるのでしょう。
そして白岩と寝ますが、途中でさとしが起きて今度は無神経な白岩に勝手に怒りだします。家の窓を割るくらい。
さとしが怒り出した理由は白岩が結婚指輪をつけていたことです。バツイチと聞いていたのに・・・!というさとしの怒り。
白岩はさとしに離婚の顛末を言わされ、勝手に妻にリンクし、白岩に激怒。
数日後、さとしは昼間は遊園地?動物園?にバイトに行っています。
白岩がそこに行ってさとしと話をしようも無視して、すべての動物のオリの扉をあけ放ち動物を逃がします。
コンドルだけはオリから逃げず、さとしはなぜ逃げないのだ!とまた激怒。
それからまた数日後。
白岩の家の前でさとしが待っていて、帰りが遅かった白岩に「同伴して」と言います。遅刻しすぎて困っているのが見えたので、白岩は同伴します。
飲んでいるとまた代島が来てヤリマンだと言いますが、白岩は胸を張って、お前もだという意味も含めて「俺はもう失うもの何もないんだ。」と言います。
またまた後日。
職業訓練では、ソフトボール大会があります。白岩はさとしに見に来てくれ。さとしのためにホームラン打つから。と言い仲直りします。
しかし白岩は元妻と会い、元妻にもうあなたは必要ない(要約)と言われます。男泣きします。
その姿を見たさとしは嫉妬します。またもや二人は本気の感情のぶつけ合いをします。
ソフトボール大会では、さとしが来るのを今か今かと待っていた白岩が、さとしが見えた瞬間にホームランを出すのでした!!
感情のぶつけ合いは、傷つくけど相手が返してくれるならそれだけの価値があると思う。
暗い話の三部作だと思ったけど、最後のオーバー・フェンスはまだ救いがあったと感じる。
純粋すぎてうまくいかない世の中度 ★★★★☆ 4つ!