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アニメ版が公開されるので思いだした実写映画です。
元は1984年の田辺聖子の小説で、小説版はこてこての大阪弁で大阪弁になじみのない私は英語の本を読んでいる感覚になってしまい、頭の中がこんがらがってしまって途中で断念しました。思うんだけど大阪弁で書かれているものは標準語に直したバージョンも欲しい。セリフだけ大阪弁でいいじゃない?
しかし、話しの本質は映画でも十分感じ取れるのでロングセラーとなっています。
実写映画は、池脇千鶴、妻夫木聡、くるりと犬童一心という豪華メンバーできらめくような世界観を作り上げることに成功している映画です。
追記・・・途中まで漫画を読みました。現代風にアレンジし、生々しい貧乏さが見えず「なんか違う。」と思いました……。
ジョゼと虎と魚たちの3行あらすじとネタバレ
注意※三行で結末まで書いてます。
ほわんとした映画感だけどやってることは残酷だと思う。
けどジョゼは一生外の世界を見ないままよりは、外の世界を少しでも楽しいと思わせる方がいい? 楽しんだ後また家から出れない日々が続くのがわかっていても? 興味本位で偽善なんてしていいの? と色々考えさせられる物語です。
ジョゼと虎と魚たちの映画のネタバレと感想
恒夫(妻夫木聡)は雀荘でバイトする大学生です。そこそこモテて、何もかも自由に手に入れて楽しく生活しています。いわば、心に余裕のある大学生です。
雀荘で、朝方いつも乳母車を押して散歩をしているおばあさんがいると小耳にはさみました。
バイト帰りの朝方、恒夫はさっそくそのおばあさんと遭遇しました。乳母車は突進してきて、乳母車の中には包丁を持った少女(池脇千鶴)が乗っていました。恒夫と同じくらいの年齢です。
恒夫は好奇心から少女に話しかけます。(中途半端に残酷な好奇心)
おばあさんは世間体を気にするため、ジョゼを一目にさらしたくないために朝方を選んで散歩しているのだと言います。歩きながら話しているうちにジョゼの家まで付いてしまい、流れて一緒に朝食を頂いて帰ることにしました。
ジョゼは足が悪く、あんまり外に出ていませんでした。学校にもあまり通わず、乳母車しか移動手段がありませんでした。
これは1984年の物語なので、きっとそのままの設定にしたのでしょう。今の時代に福祉が受けられないとは考えられません。そして家も長屋のような家なのは時代設定をそのままに映画にしたから。と信じたい。
恒夫はジョゼの作るご飯に感動します。
そして恒夫はジョゼの家に入り浸るようになるのでした。
おばあさんはジョゼのためにいろんな本を拾ってきて与え、ジョゼはその本を見て外の世界を知ります。本の中と家の中だけがジョゼの全てなのでした。恒夫を受け入れることができたのは外の世界を見て見たかった願望と重なった瞬間だったのでしょう。
外に本を買いに行けないジョゼはフランソワーズ・サガンの本の続きが、どこかに捨てられておばあさんの目に留まる事を心待ちにしています。
いわゆる奇跡待ちですが、ネットが無かったアマゾンの無かった金が無かった当時はそういうものでした。私が子供の頃でも本屋に予約なんてよっぽどでなければしなかったし。
恒夫はジョゼのために続編を中古の本屋で見つけて渡します。ジョゼは一瞬で世界が広がっていきました。
そんなジョゼと会いつつも、恒夫は大学生活を謳歌しています。彼女やセフレなんかも作りつつ、青春を謳歌していました。
幸せだからこそ、無神経にもジョゼの大切なスモールワールドに土足で踏み込んでかき回すのでしょう。
恒夫はジョゼの乳母車を改造して昼間の街に連れ出します。人の気持ちを考えずにやりたい放題です。
ジョゼは一気に世界が広がり、その分恒夫の世界を羨ましがります。
一方で恒夫は福祉を目指している自分の好きな女の子香苗に、ジョゼの話をしてジョゼの家の改装を市の福祉課がしてくれることになりました。
恒夫が段取りをしてジョゼの家でバリアフリーの改装を見ている時に、突然佳苗が現れました。香苗は福祉希望なので見学に来たと言います。
押し入れの中で二人の会話を聞いたジョゼは猛烈に嫉妬します。これまでジョゼと恒夫の世界しか見えなかったけど、恒夫には恒夫の世界があるのだと思い知ったのでした。
そしておばあさんからも「二度と来るな」と言われてしまうのでした。
恒夫は行く場所がひとつ無くなったくらいの気持ちで、数カ月が経ちます。
恒夫は就職活動をしていて、ジョゼの家のリフォームをした業者に行き、そこでジョゼのおばあさんが亡くなったことを聞かされます。
おばあさんがいたからジョゼの生活は成り立っていたわけで、恒夫は急いでジョゼの家に行きました。そこにはジョゼが必死で生活をしている証が多々見受けられます。
外に出れないので、近所の変態爺さんに体を触らせて世話をして貰っていました。
「そんなことをするな!」と罵倒するめでたい恒夫にジョゼは泣きながら反発します。ジョゼにしたらそれしか方法がないから、我慢して触らせているのにセカンドレイプのような恒夫に怒り沸騰でした。
まっすぐにぶつかってくるジョゼを恒夫は抱いてしまいます。
二人はそのまま一緒に暮らすことにしました。
家で引きこもっていたジョゼはそれから恒夫と夢のような日々を過ごします。
しばらく二人で過ごしたのち、恒夫の実家の法事にジョゼを連れていくことにしました。ジョゼは水族館に行ってみたいというので、行くと休館日で諦めます。
その頃、幸せ過ぎたジョゼは休館日だったことに腹を立てて恒夫に罵倒を始めます。
黙って我慢しない所がジョゼのいい所です。
帰れ!帰れと言われて帰る奴は帰れ!とジョゼがいうセリフがあるのですが、帰らないでと全身で訴えているようで心を撃たれます。
しかし恒夫もだんだんとジョゼの世話が疎ましくなってきていました。きれいごとばかりでは日常が送れないこと、いつまでも車いすを使わずに恒夫に楽させないでいようとジョゼが意図的にしているようでまるで子供のようなジョゼにイライラしていました。
家族にもジョゼの事は話していたものの、やっぱり障害のあるジョゼと結婚するというのは無しだな・・・。と思った恒夫は法事を断り、海に行きます。
ジョゼをおんぶして海辺に連れて行く恒夫。
ジョゼは初めての海に大興奮で、そんなジョゼを見ている恒夫も幸せでした。
帰りにお魚のラブホテルがあり、ジョゼはそこに行きたいと言いました。
魚が部屋に沢山書いてあり、真珠貝のベッドでジョゼは大興奮です。
行為をした後、ジョゼは恒夫がいなくなることを口にしますが、それでもいいと付け加えます。
その後、恒夫は色々考えた果てにジョゼと別れることにします。
ジョゼと居た時間が楽しかった分だけ、恒夫は悲しみますがやはり健常者の暮らしを選んだのです。(残酷だけど)
恒夫は荷物をまとめ、ジョゼは餞別にエロ本を渡します。
二人とも納得がいった別れでさっぱりしたものでしたが、荷物を持って恒夫を待っていた香苗の元に行き、笑って歩き出したところで恒夫が号泣してしまいました。
ジョゼは電動車椅子に乗り、いつものように料理を自分のために作り、ひとりぼっちの日常が始まります。
この映画をはじめに見た時は「妻夫木聡は少年役が良く似合う」と思ってた。
この妻夫木聡は紛れもなく少年だ。
そして健常者どうこうというよりも、ジョゼは一人の女なんだよね。
ちょっと妻夫木聡がひどい奴に見えるけど、傍から見るよりも障害の人の日常って大変だと思うの。福祉が助けても毎日は大変だと思うの。
なら、ジョゼを無かったことにして閉じ込めておけばいいの?ジョゼだけ我慢させとけばいいの?って思うからモヤモヤしてしまう。
近所に住んでたら、毎日ゴミを取りに行って出してあげれるか。毎日無償で買い物してきてあげられるかというと、そんな余裕なかなか出ないもんね。
色々考えてしまうわ・・・。
落ちる度星4つ ★★★★☆
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