気持ちの埋め方 胸糞悪い話 衝撃的

Blue 葉真中 顕の小説のネタバレと感想

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この本は、このサイト内の検索機能を使って『blue』というキーワードで何人もが検索していたのを見て知った。

「はて?buleとは?ブルーハーツ位しか思いつかないけど?」

と昭和全開で思いつつ、今度は私が検索し、葉真中 顕のBlueの事だとすぐにたどり着く。

逆検索をして「これは…私に向いている本なんだろうな」と思い、すぐに手に入れ一日で読んでしまった。

むしろ葉真中 顕を知らなかった、手に取ることが無かったので、衝撃的でした。

こっそりと私に読んで感想を聞きたい本があったら、是非にサイト内検索してみて欲しい。

そして無戸籍児を題材とした本という事だけを頭に入れて、夢中で読んでしまった作者と同世代。

Blueの3行あらすじとネタバレ

一言でいうと闇が深すぎる

3行になっていないけど(笑)

作者の文章がうますぎて、途中でストップできない。

これはやばい。コンプしてしまいそう・涙

Blueのあらすじとネタバレ

Blueの感想

Blueのあらすじとネタバレ

平成になった日に生まれて、平成が終わる瞬間に死んだ一人の無戸籍児の話です。

31年生きて来た人生がこれまた色濃い。

政治家の遠縁の男の愛人として出産した母親と息子、青(ブルー)はバブルがはじけた後、愛人が自殺。

出産時に出生届を出さないと退院できないというのは、最近の事なのかな? 私の時にはそういうシステムだった気がするけど。

教師一家の実家とも絶縁状態だった若い母親(17歳くらい)は途端に路頭に迷う。

変なブローカー(俗にいうキャッチ)にそそのかされ、その後、母親とブルーは「プチ・ハニィ」という未成年者の売春を斡旋するグループの寮に入る。

寮には訳アリな少女たちが共同生活をしており(俗にいうシェアハウス)、なぜか違和感なくブルーも溶け込んでいた。

その中で唯一ご飯を作ってくれていたアズサによく懐いていた。が、アズサもいつの間にかプチ・ハニィを辞めて出て行ってしまう。

その直後、プチ・ハニィは経営者の謎の死をきっかけに解散し、プチ・ハニィ仲間のひとりと母親とブルーは一緒の家に住み、その日暮らしを始める。

母親はバブル崩壊時の最低辺を地で行く生活を続け、男にも狂うがドラックにも手を出す。

そこまでドラッグではなく、軽い奴。

アセトアミノフェン(近所の調剤薬局オリジナルの葛根湯にはアセトアミノフェンである漢方の「マオウ」という成分をたっぷり入れています!というので飲んでるんだけど、かなり効き目がある。このマオウをかき集めたのが、一昔前の合法ドラッグなのか…!?)とか。

精神的にだらしない母親は、金が尽きると親に泣きつくを繰り返し、甘えながらしか生きられないバブルの申し子のような人。

新しい男ができ、いつの間にか男とブルーと三人で暮らし始めるが、母親は満足できていない。母親の彼氏も暴力ばかり振るう、甘えん坊さんであまり儲けも良くない。

彼氏は彼氏で、地味な面白くないような仕事で我慢して他の男の子どもを育てるのかと人生自体に絶望しているが、地味に中途半端に真面目なので大それたこともできず、女子供をいたぶってストレスを解消していた。

母親は彼氏が仕事に行っている間に、新しい彼氏と浮気。やりたい放題の本能丸出しな感じ。

新しい彼氏は彼氏で猿岩石に憧れて、大学途中に貧乏旅行をしたりと違う角度からのバブルの申し子的存在である。

ブルーはその頃14歳になっており、小学校すら行っていないのに稼ぎ手のひとりとして、母親の彼氏と日雇い仕事に行きます。

そこでベトナム人のマルコスと知り合い、お互いの闇を埋めようとします。

マルコスはマルコスで闇が深すぎるが、ブルーはかなりの男前で線の細いイメージなので誰からも好かれてしまう。たとえ学が無くともビジュアルは大事である。

ある日、母親の彼氏がブルーや母親を殴り始め、母親がブルーに「you!殺しちゃいなよ!」といいブルーは本当に殺してしまう。

やった後に母親は、「なんで本当に殺しちゃうんだ!」なんて言ったりしちゃうけど、だって、ブルーはこんな母親の事が好きなんだもん。

そして後始末を母親の彼氏にさせて、そこから三人で逃亡してしまう。

マルコスとも会えないままお別れ。ブルーはマルコスにだけ「殺しちゃったから逃げるね!」と電話をかけていたがそれっきり。

そして逃亡して三人で、車上生活を送るが当然行き詰まり、母親の実家に行って脅して金を奪う計画を立てる。

行きがけに「場合によっては殺しちゃうかも☆」と言い出した母親に彼氏ドン引き。

「俺の人生は一体どうなっていくのか」と絶望し、家の前で二人をおろしてこれまた逃亡。

新しい彼氏は実家に帰り、心を入れ替えて生きていく決意をし、実行するのでした(笑)

母親とブルー(主にブルー)はおじいちゃんおばあちゃん、母親の姉、姉の子どもを惨殺する。

姉の子ども5歳が幸せに包まれているのが許せなくなったブルー。複雑な心境である。

その後、母親はドラッグを大量に飲み風呂に入り死んでしまう。

母親の死に気が付いたブルーは逃亡し、「プチ・ハニィ」時代に慕っていたアズミに電話をする。

アズミは闇金で一儲けしており、ブルーを受けれて暮らしていく。

アズミもアズミで地方の農家の父親に犯され続け、妊娠した時に父親にボコボコにされ妊娠ができない体になっていた。それで飛び出してプチ・ハニィ入りという訳でした。

アズミはブルーの母親の事を、なんの不満が合ってこいつは家を飛び出したのであろうか?馬鹿なんじゃない?と思っていたと書いているが、ブルーの母親の気持ちもよくわかる。

教師一家に育って理不尽に強要されていたら誰でも嫌になるだろう。

アズミまでは不幸ではないだろうけど。

まあ、そんなこんなでおじいちゃんおばあちゃん、母親の姉、子ども、母親を殺したけど事件の結末は「母親が殺して自殺」とおさまった。

なんせ、ブルーは政治家の遠縁の子ですから。

そしてアズミと、マルコスを引き入れ外国人労働者などのブローカーなどをしながら暮らしていく。

一方でずっと刑事が追う。

母性を持てなかった刑事が自分を責めながら(こっちもかなり読み応えあり!)。

ある日、ブルーはネットカフェで暮す4人家族に会い子供のために、シェアハウスを紹介し面倒を見るように。

しかし、この4人家族もまた下の妹が無戸籍児であり、ステップファミリーなのであった。

母親は同じようにだらしない。極限にだらしない。何をどうしても生きていけると思い込んでいて、自分で正そうとしない。

上のお兄ちゃんを裸にし、虐待し、その様子を写真に撮って売り捌く母親の彼氏。

隣の部屋のベトナム人が発見し、ブルーに伝わるとブルーは静かに怒り追い出す。

その後一カ月経ってから再度ブルーはその二人を呼び出し、空き家で殺す。

事件となり、警察に追われ、道に飛び出しトラックに跳ねられて死んでしまう。

途中で手紙のような文面が出てくるのは、この時助けた子供の妹の方である。

怒りを向ける矛先が無くなったと怒る兄に対し、命を救われたと思う妹。

ブルーの残した傷跡のひとつなのでした。

おしまい!

Blueの感想

・・・こういう話、どっかで聞いたな。僕らを悪魔と呼んだ頃だったっけ。

母親は誰も僕らを見ていないだっけ。

最近になってようやくバブル崩壊後、ゆるやかに生活を狂わせて行く家族の話が表に出てきた感じですね。

最中はどこへ向かうか、どこまで行くかわからなかったけど、一応平成という区切りが付いたのでしょう。

私たちもこれからどこへ向かっていくのか本当に手探り状態ですが。

作者が同年代なので、バブル崩壊後の時代背景の描写が私にはドンピシャです。

もうヤバいです。面白過ぎます。私たち、ひとつもバブルの恩恵受けてない!からの絶望なんてあの世代を生きて来た人だからこその感情。

調べたらかなり有名な作家さんでドラマや映画にもなっている話が沢山あるのだそうです。

ちょっと私が忙しい時期にデビューしていたので完全な見落としでした。

次は「絶叫」か「ロスト・ケア」だな!

どうでもいいけど、図書館で借りたBlueの本がめっちゃ何かの臭いがしていて、とってもくさかった。

途中で出てくる縫製工場のワキガのオッサン…という所を見て「ワキガ」の香りだと気が付いた。

ワキガじゃないかも。加齢臭かも。なんでこんなに臭いんだ。

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