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小池真理子の小説であり、NHKでドラマにもなった。
小池真理子なのでさらさらさらーっと読めて、一気に読めてとても面白かった。
感想は個人差あるだろうが結果的に沖縄の少女だけが頑張って物にした(達成感を得られた)ような気がする。
途中、えっこんな勉強方法あったんだ! とか、試験に受かった時はこっちも同時に達成感があってスッキリ。燃え上がって燃え尽きる感が半端ない、ドラゴン桜のような達成感。時代背景はちょっと前の日本なので若い人はずれてると思うかも。
下流の宴の三行あらすじとネタバレ
注意※三行で結末まで書いてます。
下流の宴のあらすじとネタバレ
福原家と宮城家の話が交差しながら進んでいく構成です。
医者の娘である福原由美子は国立大出身であり、夫も早稲田大学を卒業し息子と娘も生まれて『上流家庭』を自負しており人々を見下します。とにかく何よりも『見た目』を取り繕う事が由美子のプライドです。
娘もエリートな夫と結婚して子供がいます。娘もお嬢様大学に行き、就職を蹴って「男漁り」をするために派遣になりエリートの夫をゲットしていました。
心配なのは息子の翔。
高校を中退して現在フリーターをしていました。
どうにかして翔をまともな会社に入れてやりたい、まともな見栄えのいい学歴を付けてやりたい由美子は今日も大検だのなんだのとギャンギャンと翔に訴えます。
翔は何かがやりたい訳でも、ぐれて高校を辞めたわけでも、なんでもなくただひたすらに欲のない無気力な少年でした。ただ、勉強についていけないから辞めていたのです。
由美子とは価値観が真逆で言葉が通じないとはこういうことを言うんだろう。暖簾に腕押しとはこの事なのか。母は母で自分が思うような結果を息子が出さないことにイライラしている。
翔はある日、ネットゲームで知り合った宮城珠緒という少女を連れてきます。そして見るからに『下流』の珠緒と結婚したいと言い出しました。見るからに無神経で清楚とは程遠い、育ちも悪い珠緒と結婚されてはたまりません。(育ちが悪くても、ブスでも何でもいいが、無神経な娘と結婚されるのはたまらなく嫌だろうと思う)
珠緒は沖縄出身で聞けば聞くほど家庭も下流で、由美子は罵倒します。息子が中卒のフリーターだという事も忘れて。
目の前で家も自分も罵倒された珠緒は「医者になったら結婚してもいいなら医者になってやる」と宣言します。
しかし珠緒はそこそこの高校しか出ていませんでした。
それでも諦めずに翔と同棲しながら、翔に助けられて無事に国立医大に入学します。(途中ドラゴン桜みたいな先生も家庭教師についてくれて、それはもうみっちりと勉強します。二年間。)
受かった大学が遠いため、翔に一緒に行こうと誘うが翔から出てきた言葉は「別れよう」でした。これまで支えてきてくれた翔、翔との結婚のために頑張った珠緒はびっくり仰天。
しかし翔は「頑張って居る人の近くにいるのが辛い」と実家に帰ります。
その前に由美子の娘もエリートの夫がうつ病になり子供と一緒に出戻ってきます。
珠緒が医大に合格し、あれだけ由美子が馬鹿にしてた珠緒の母(居酒屋経営)は珠緒の受験に必要なお金を翔の方に出してもらっていたのを一括返済し、プライドがズタボロになりながらも娘の出戻りと翔の出戻りを受け入れます。
・・・なんだかんだといって、由美子の家は「中流より上」なのは間違いないでしょう。しかし鼻にかけるほどではない。それでも三人をすぐに受け入れられるのは暮らしとしては上の方なんでしょうね。
つまり、二人の決定的な違いは「努力」できる珠緒と「努力できない」翔の違いだったのでしょう。
やり遂げる、粘り強さというのは昔から学校教育で大きな声では言わないけれど勉強のできるご家庭ではほとんどが意識していること。なのに翔はできなかった。というのは由美子の育て方が悪かったということでしょう。
ただ単に翔の言い分をこれまで無視して自分の思うとおりの生き方しか許さない! という母親の執念があるのでしょう。
そしてこれからも翔の言い分なんてどうせ聞かないのでしょう。歪んだ価値観のまま生きていき、死んでいくのでしょう。
とりあえず、珠緒は由美子が息子に賭けていた夢の国立医大生という立場を手に入れます。「うちの翔だってやればできるのに」という気持ちは未だにあるでしょう。
憶測ばっかりですが、小説なので憶測で進んでいくしかないのです。
由美子には臨機応変とか、ケースバイケースという言葉を教えてあげたいなあ。まあ由美子はバレーに夢中な青春時代を送ってきたから難しいのかな。
とにかく出てくる人の個性がわかりやすく一気読みできるのでおすすめです。
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