当サイトの記事はアフィリエイト広告を利用しています。
私の男の3行あらすじとネタバレ
目次
「私の男」 小説のネタバレ
腐野花(主人公)がどこぞの御曹司をたらし込んで、明日結婚します。だからお父さん、結婚式の前日に私の婚約者と、お父さんと私で「最後のディナー、花と食べようね☆」というオチから始まるのが小説。
淳悟(花の養父、けど実は本当のお父さん)は本当にだらしない。
なんかもうちょっと人前に出るんだからちゃんとしろよ。的なだらしなさ。どこででもタバコ吸うし。
ちなみに無職。
花が働きだしてから結婚式までは花の派遣代で生活してる。
結婚式前、花と淳悟は東京のおんぼろアパートでネズミのように暮らしてる。
近親相姦しながら(相姦の赤い河岸は、この話をもう少しマイルドにした感じ。もっとエロいけど)。
近親相姦というか、他に目が向かないから、ただ惰性でやってる、みたいな感じだ。一時の快楽に身を溺れさせた後の、その余韻に酔いしれてその余韻を妄想(思いだして)やってる感じ。
近親相姦って普通に気持ち悪いと思うけど、近親相姦ってエロ漫画だけじゃないらしいよ。
まあそんで、二人は中学生のころから行為をしてるんだけど、完全に私の男だと思ってる花は淳悟に付きまとう小町ちゃん(花が来る前からの彼女)からも蹴散らして、本当に正真正銘自分の物にしてしまう。
けどいざ結婚式が終わって、花が新婚旅行から帰ってきたら、小町ちゃんから淳悟が消えたと知らせを受ける。
花が相当馬鹿にしてた小町ちゃんから「あの男はお前の前から逃げたんだよ!」といわれるってどんな気持ちなんだろう。
小町ちゃんでも、花(実の子)でも手に入らなかった男が「淳悟」というイメージ。
根無し草というのがぴったり。
いるよね、こういう誰の手にも入らない男。
だからこそ女が手に入れようとする。
ムキになって。意地を張って。
絶対にそんないい男じゃないのに。
高校生の時、北海道の紋別で花が人を殺して、二人で東京に逃げてくるんだけど淳悟はそれまで海上自衛官だったわけよ。
いいねぇ、女癖は悪いのにそういうところは固いんだ(笑)
東京では手っ取り早くバイク便でその日暮らしをしながら、花を短大まで行かせてるのは純粋にすごいと思ったけど、実は淳悟が中学生の時に居候してた家族の腐れヤンキー(既婚子持ち)との間に産まれたのが花。
こういうマイルドヤンキーってのは、嫉妬とかよりも情に負けるから托卵も受け入れる。
世間を知らない田舎の人は、托卵を受け入れるしか方法が無いように思うんだと思うけど、その辺も上手にふんわりと書いてた。
淳吾が手あたり次第なんか、腐れヤンキーに施されたのかは謎。淳悟の言い分は小説には何一つ出てこないから。
でも腐れヤンキーの夫は漁師だったようで、家を不在にすることが多かったというところから簡単に予測できますよね。
花はそのマイルドヤンキーの家で産まれ育ったんだけど、津波でほかの家族は死んじゃった訳。
それまでお父さんと思ってた人から「お前は生きろ」と言われて、ひとり取り残される。
ほかの本当の家族は目の前で抱き合って津波に飲まれていった訳。
それまでも疎外感みたいなものも、花にあっただろうと思う。
それで被災地に淳悟が迎えに来て、それ以降淳悟に育てられるわけなんだけど、淳悟には小町ちゃんという美人がそばにいた。
結婚すると周りから思われていた彼女。
だから花が蹴散らした。
この辺の両者の嫉妬深さなんかは映画の方がうまく表現してるなと思うので、映画のネタバレ見てくれたらと思います。
そんで人を殺して逃げて二人で東京でひっそり暮らしてたら、紋別から刑事が来るのよ。「花が殺しただろう」って。証拠をもって。
すかさず刑事を淳悟がぶすっと包丁で殺して、押し入れの中に入れて素知らぬ顔して生活していくのがなんともシュール。
普通、臭いだろ。どんだけすえた臭いがするような地域でも、人が腐っていけば誰か気が付くだろう。・・・と思うが誰も気が付かず淳悟は花が嫁に行った後、死体をどこかに捨てた模様。
最後の章は淳悟と花の出会いなんだけど、淳悟は花に抱きついて「おかあさん」って言ってキスとかするんだよ。
近親相姦って一度してしまうと、次の世代にもしてしまうというルールがあるのかな?
私はしたことがないのでわからないのですが、タブーを犯すと全部一緒! 的な何かがあるのかな。割れ窓理論的な。
でも小説は文句なしで面白かった。これは映画も面白いだろう! と踏んで、続いて映画。
「私の男」 映画のネタバレ
冒頭のシーンで紋別の流氷の中から花が飛び出してくる。
この花(二階堂ふみ)は本当にダサい。
見ていて痛々しくなるくらい、田舎臭い。しゃべり方も、そんな変な意識しないでいいから!って早送りしたくなる(見たくない)くらい田舎の子って感じ。
最後のシーンまで、この田舎臭さは抜けず、途中で何度も早送りしようかなと思ったくらい、田舎臭い。
田舎臭い子をずっと見ていると、自分の昔を思い出して? 息が苦しくなる。それくらい田舎臭い。
映画は小説とは打って変わって、花と淳悟(浅野忠信)の出会いから始まる。最後から始まる小説とは逆で、最初から順を追って描かれていく。
ここで見どころ!小町ちゃんの演技力に脱帽。この人なんか賞もらってないのかな? 私があげたいくらい上手だったわ。
小町ちゃんはなんとか淳悟を手に入れたいんだけど、淳悟が手に入らない。そのうえ花の「上から目線発言連発」ババン(笑)てか、小町ちゃんからしたら花が居るから淳吾と結婚できないのにも関わらず。
女同士でしかわからない、この花の天然を装った女の情念。怖い怖い。
しかも小町ちゃん脱いで淳悟との絡みも。
小町ちゃん×淳悟=情愛。
しかし淳悟は逃げ腰。
なんで淳悟が逃げ腰なのかは、淳悟のお父さんもそうだったからというよりも、花が本当の子供、しかも本当の子供とも関係してる。というのが絡んでいると思う。
他人に深入りしたくないんだと思う。
他人に深入りしたくない人ってのは、家族だけ、自分だけで完結したい人。そして、自分の事を言いたくない人だよね。
本当にこの辺、「情」がすげー絡んでて見ていて嫌な気分になる(監督うまいなあ)
見てるこっちが絶望的な気分になっちゃう。
花がおじいちゃんを殺すのは、流氷の上に乗せて流すんだけど
おじいちゃん「男と女ってのはひつこいもんなんだよ!」
花「うるさい!あれ(淳悟)は私のもんだ!」
・・・そうですか。そうなんですね。
小町ちゃんだけでなく、花、あなたもまた淳悟を手に入れたい訳ですね、はいはい。
まあそんで東京に逃げて暮らすんだけど、映画では職業がタクシーの運転手なのね。
で、事務のオバサンに
「あんた、女のにおいするよ。年頃の娘がいるんだから気をつけな」
って言われるわけよ。
その時花は高校生。女ならわかると思うんだけど、高校生~30代入るくらいまでってすごい女のにおいが研ぎってる感じなのよ。
女の匂いって、うまく表現したなーと思う。(30代からはまた別の女のにおいがする訳なんだけどさ)
花が働きだしても、まだ花は田舎臭い。
東京のOLなんだからもうちょっと、その焦って頑張ってます的な化粧や恰好はどうにかなるだろう。全然都会になじんでない。
花とやりまくりなのは小説で「東京では花の声を抑えさせなくていい。」ってあるからわかるんだけど、娘のはじめからじんわり?激しく?自分好みに調教してくってすごいよね。
花が淳悟の指が痛い、○○が痛い。ってところから、女を開花させて自分から欲するまで傍に居たんだ。
ある意味なんてゲームでしょうか。
しかし、
そんな花の田舎臭さは、最後のシーンで飛び去ってしまう。すべてをかっさらう。
ところ変わって、御曹司をまんまとゲットした花と婚約者と淳悟でおしゃれなディナーを食べに行く。
淳悟、借りてきたようなスーツに『つっかけ』で(笑)しかもはだしで。
この時の二階堂ふみは 女 そのもの。目つき、表情、メイク、服装。完璧に女。
ゾクゾクするくらいの、色気。
この時二階堂ふみ、18歳。エイティーンです。
例のシーンは18歳になるのを待って撮ったようだけど、浅野忠信が、ほんとにいつみても絡んでるイメージなんであんまり違和感はなかった。
けど、最後のシーンの二階堂ふみは本当にすごい。
今までのシーンはあえて抑えてたのか?と思う位に。
私もいい年だけど、こんな表情を男に向けてできているだろうか?うーん謎だ。
淳悟は人を殺してからうつ病みたいになってたんだけど、うまく言葉が出なくてそこを察した花が口パクで
『おめでとうは?』
っていうわけです。
テーブルの下で淳悟の足を足でなぞりながら。
私の男の最後のシーンの口パクは「おめでとうは?」なんですよ。
言わせるんですよ。私のために、演技しろってかー!
これは花が、とりあえず世間体のために結婚するけど、あんたの事も離さないわよ。って意訳ですよね(笑)なんでも手に入れる女、二階堂ふみ。もとい腐野花。
こんな女に騙されるのはやっぱり育ちのいいお坊ちゃんですよね。それが一般常識。
もし育ちのいい男を落としたいなら、腐野花を見習ったらいいと思います。
(花の場合「育ち」は、震災孤児だからこそおぼっちゃまとの結婚を許されたのだと予測します)
他人(婚約者)に自分たちの事を軽く語るシーンがあるんだけど、「まだこどもだったんですね。私たち。」ってお前もう人生の折り返し過ぎてる位に濃い人生歩んできてるだろ。何カマトトぶってんだよ!
と思った(笑)
花が婚約者に向かって自分たち親子を説明する時に
「小さい頃はなんだって解ったけど、大人になるとお父さんの気持ちが解らなくなった。」
と言いますが、なんだよ、それは疲れた老夫婦のセリフだろ!
今までの事はさておき、人生リセットしてまっさらな坊ちゃんと結婚して、華々しく残りの人生を歩みたいんだろ?と、本音と建て前をきれいに使い分ける、こんな技は本能で身に付けているのかな?
まあ、「お父さんから離れないと。」って思う花の気持ちも、若いうちに嫁に行っとかないと色々がんじがらめになる。という気持ちもわかりますがー。
いやー、ちょっと怖かったですね。
殺人とかは全然怖くなかったけど、最後のシーンが怖かったです。女の情念。
淳悟は淳悟で途中、花の婚約者が家に来た時「おめえにゃ無理だよ」「俺はお父さんになりたいんだよ」とか言ってたけど、今更何言ってんだよ? っていう絶望的閉塞感しか出ない(笑)
おめえにゃ無理だよ。ってのはわかる。
自分を含めた、周りの人、モノを全て自分で手に入れてきた花を身近で見てたら、そりゃその辺の男なんて絶対に無理って思うでしょ。
まわりにそんな女男いない?見たことない?ぞくぞくするくらい、見ていてドキドキする。
女から見たら、ちょっと手に入り無さそうな男。
男から見たら、影がある女。
そんな二人なんだから、そんな二人の結末まで。って感じかな。映画は。
男と女の、果てしない情愛(絶望的)個人的にかなりおすすめ。
つまりはこの映画と小説は、強かな女のサクセスストーリーという事です。
★★★★★星5つ!!
最後に言うけどこんなに怖い映画、私の男を見たことがありますか?
****
桜庭和樹について知っていること。
赤朽葉家の伝説という前兆の話があるようなのでこちらも時間ができたら見たいところ。
赤とピンクは映画だけ見たけど、小説は読んでない。
桜庭和樹といえば、ラノベ(ライトノベル)出身なので、直木賞取った時はちょっとびっくりしたけど、「私の男」は文句なしで直木賞だと思う。それくらい面白い。
また桜庭和樹を手にとってみようと思う。
よく似た記事:Red 島本理生の小説のネタバレと感想