当サイトの記事はアフィリエイト広告を利用しています。
52ヘルツのクジラたちを読んでみた。
ああ、こんな救いが世界中で毎日のようにあって欲しい。
今日、誰かを救うことができなくても、明日、私にも救えるチャンスがあるかもしれない。
なんて思ってしまう優しい小説でした。
本屋大賞を受賞したということで、なんとなく図書館に予約したがその時60番目位待ちが合ってやっと私の手に回って来た。
さらさらと流れるように読めるので、1日で読んで返してしまった。
しかし内容は結構えぐい、えぐい上にどうしようもない。年月をかけて修復していくしかない人たちの話。
52ヘルツのクジラたち 3行あらすじとネタバレ
52ヘルツのクジラたち あらすじとネタバレ
妾の子として生まれた母。
母は苦労して育ち、そして祖母の事を憎みながら育ち、気持ちは消化されないまま自分もまた一人で女の子を産み育てるが行き詰る。
その間、激しい虐待と激しい縋りを女の子に繰り返すが、ある日母は女の子を連れて結婚し、女の子にとって義理の弟ができる。
その頃から母と義理父からトイレに閉じ込めら、軟禁&虐待の生活を強要される。
無神経な教師が母に注意するが表面的にだけ身ぎれいにされ、さらに母が抉るような虐待を繰り返すだけだった。(教師はもちろん「私、いい事しちゃった!」と思っている。善意の押し売りだわ。)
そして病気になった義理父の介護を全て押し付けられ、毎日が介護・・・。
ロストケア読んだ後だったから染みるわ・・・。
その後ばったり会った高校の同級生とその同僚に救われるのでした。
ゆるやかに自立した所で、会社の御曹司と付き合い出したと思ったら婚約者は他の人と婚約をし、その顔で「お前の事はお前の事で大事にしたい」という。
自分もまた祖母の血を引いて妾として生きて行くのか・・・と思った所で救った同級生の同僚が自分の命をかけて阻止。
目が覚めた女の子は、あいつを殺して自分も死んでやろうと御曹司ともみ合い、持っていた包丁が自分に刺さる。
御曹司の親は女の子に手切れ金を渡し、女の子はそのお金で祖母の空き家に一人で引っ越し、そこでひっそりと生きて行こうと思うのでした。
そこで虐待された少年と出会い、今度は自分が誰かを救う番だと俄然やる気が出だすのでした。
この少年の母もたいがい。少年の祖父が原因だけど。
甘やかせるだけ甘やかせたツケも払わず、外面だけはいい。最後、すでに諦めて離婚していた祖母と話が付き、少年は祖母の元に行く事に。
村が一体になり少年を楽しませ、少年に希望を持たせる。それはそれは暖かく。
(思うんだけど村なんだからそういう祖父の事をもっと躾けておくべきだったと思うんだわ。誰も言わずに、そのために傷つけた人を温かく迎えるよりは絶対に介入していくのが本当だと思うんだわ。)
どんな目に合っても、自立して生きていく事からは離せないのだから、やっぱり親が自立への方法や細かな立ち直りなんかを一番教えないといけないと思った。
そして声の届かないクジラの声を聴きながら、女の子はかつて自分の声を誰かが聞き入れてくれたように、今度は自分が誰かの届かない声を聴いて行こうと思うのでした。
おしまい!
52ヘルツのクジラたち感想
本屋大賞にピッタリな暖かい本だなと思った。
大分県の祖母の家に引っ越してくるんだけど、大分県の事よく知ってるなと思ってたら町田その子は福岡に住んでいた。
しかしお節介がこんなにうまくいく絶妙バランスな町が今でもあるんだなと感心しました。
御曹司のくだりも。未だにそんな人いるんだね。
後味はいいんだけど、内容はじんわりえぐいので「読んでよかった」とは思うけど、自分の心の中に速乾性のあるアルコールを撒かれたような気分である。
さっきも書いたけど、この本を読む前にロストケアを読んだところだったので、色々救われました。
でもロストケアの感想は書きません。