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崔洋一のお父さんがモデルとなった壮絶な半生を記した小説。上下巻。
長いけど面白かった。というか読んだ後は圧倒されて疲れてしまった。
1930年代の話なので、若干の違和感はあるものの、今私たちの世代に居るのは第三世代第四世代になっていると思われます。
1923年に朝鮮(済州島)から日本に出稼ぎにきた所から死ぬまでです。
血と骨の三行あらすじとネタバレ
注意※三行で結末まで書いてます。
映画も小説を大分切り取って話にしているが、小説の方が当然グロテスク。読み応えあり!
でも映画だけでも十分に半生を楽しめます。
血と骨 の小説と映画のネタバレと感想
1923年のこと、済州島から船に乗って日本の大阪に一旗揚げようと出稼ぎにきた金俊平は希望で胸いっぱいでした。
しかし数年経ったある日の事、李英姫(子持ち)の家に押し入り犯して強引に力づくで嫁にしてしまいます。
金俊平は身長180センチ、体重100キロの巨漢でその辺の暴力団も含めて逆らえる人がいなかったくらいの膂力でやりたい放題を繰り広げていました。
極端な自分本位な性格で居て、人の事はとにかく信じず、なんでも暴力で解決しようとするような最低な男でした。
思えば暴力だけでやってこれたので、言葉なんて必要なかったのかも。必要とも思ってなかったのかも知れません。
英姫はすでに子供が居ましたが、金俊平の間に花子と正雄を設けました。
(しゃーないよな。拒否したら殺される勢いだもん。嫁にも容赦なし。そりゃもうボコボコよ。)
金俊平は弟分の高信義と、英姫の連れ子を結婚させます。
高信義はかなりまともで、金俊平のよき理解者として今後も金俊平の尻ぬぐいをするために生きているようなもの・・・。
家でも暴れまわっていた金俊平は正雄が9歳になった時にフラッと居なくなってしまう。
それは家族に訪れたつかの間の幸せの時間だった。
ボロボロになった家と心身ともにズタボロにされた家族・・・。
お父さんが居ないことでどれだけ幸せだったのか。
しかしある日突然、変わらず横暴な態度で家に帰って来るのだった。
そして火事で焼けてしまった人んちでかまぼこ工場をするので手伝えというのでした。(このかまぼこ工場の家の人は残念です。きっと燃やされてしまったのでしょう・・・。)
無料でこき使える自分の分身たち(家族)を使い、かまぼこ工場は繁盛します。
かまぼこは魚のすり身を使うのですが、たまに大きい魚から人間の足が出てきたり髪の毛が出て来たりしますが金俊平だけ、平気でめっためたに切り刻んでいきます。(足とか毛は入らないようにしますが)この話読んでしばらくかまぼこが食べられなくなったのは言うまでもない(笑)
人でも雇い、かなり儲けます。
ある日、かまぼこ工場に金俊平の息子だと名乗る男がやって来ます。
心当たりがあるのか金俊平は家に入れると、息子だと名乗る男は金俊平の仕事も手伝わずに、勝手に女を家に入れやりたい放題します(さすが金俊平の息子!)。
実は金俊平はこの息子を生んだ母親を殴り殺していたのでした。
ある日、息子もまた金俊平の癇に障ってしまいます。
それまで黙っていた金俊平。英姫がかばい、金を持たせて出て行ってもらいます。
本当に英姫はしりぬぐいばかり。暴君の金俊平から逃げたければ尼寺にと思うがここは戦後の日本。
朝鮮人だと入れてくれなかったのかも。
そして尼寺を知らなかったのかも。
息子はどうも下手を売って逃げていたようで、金俊平の家から出てすぐにヤクザに殺されていたのでした。
金俊平はますます調子に乗り、家の近所に妾を住ませます。
それでも金俊平はどこ行く風で自己流の健康方法(腐った蛆のわいた何かを食べる)で今日も頑張ります。
かまぼこ工場では不満が爆発し、次々と人が辞めていくもののかまぼこの生産量はそのままキープしろ!と暴れます。
金俊平はかまぼこ工場のお金で高利貸をしだします。
英姫も負けずに食堂を開きました。(金俊平に負けたら死ぬしかないもんね!)
しかし高調子は続かず、妾は子どももできずに脳腫瘍で倒れてしまいます。
そして金俊平はまた家族に当たり始めます。
金俊平は高利貸しを本業にすることにしてかまぼこ工場を潰します。
花子はとにかく父から逃げたいので結婚して出て行くことにしました。
金俊平は妾の面倒を見ながら高利貸しを続けますが、取り立てに行くと自殺していることも多々ありました。
妾の世話が面倒になってきたので、シングルマザーを一人雇ってその女も犯します。
そして子供を新たに二人儲けたのでした。
一方花子も結婚した相手が相当なDVであったため子供を連れて帰ってきます。
英姫が離婚しろと言っても子供もできているため笑って交わします。
正月に一応正雄が金俊平を呼びに行くと、丁度妾を殺している所でした。
金俊平はしれっと「楽にしてやった」というのでした。
正雄はそんな父が許せず、しかし家族は金俊平の罪を隠そうとし、黙って尻ぬぐいしようとすることに嫌気がさして家を出て行きました。
正雄は養豚所で働きだし、金俊平からは度々帰ってこいと言われていました。
しかし!その時英姫がガンに侵されます。
正雄は金俊平に治療代を払ってやってくれと頼みこむものの、金俊平は英姫には金は出せないと突っぱねます。
(タダで働いて金をよこして俺のためだけにつくせってか?本当に〇〇ですね?これは許せない!)
第一、 金俊平は妾の治療代は高額なのにも関わらず黙って払ってるのに・・・。
正雄は初めて金俊平に殴りかかります。
いくら金俊平といえども正雄ももう成人。
若さにはかないませんでした。
金俊平の新たな愛人は女の子ばかり産んで男が生まれません。
その頃、花子は暴力に支配された人生に絶望して首つり自殺してしまいます。
ネズミ殺しを食べたんだったかな?どっちが映画だったのか思いだせません・・・。でも自殺です。
花子の葬式にやってきた金俊平は、花子の旦那にそこで初めて怒ります(遅い)。
乱闘する中、金俊平が倒れてしまいます。脳卒中で半身不随になってしまったのでした。
英姫は冷たくひとこと「一回死んでみな」というのでした(笑)
妾はそんな金俊平を見て妾の五人の子供と金俊平の稼いだ金を持って出て行くのでした。
一人ぼっちになっても金俊平は高利貸しを続けます。
その頃英姫も亡くなり、金俊平が葬式に行くも冷たい目線しかなくすぐに帰るのでした。
はじめからいる、英姫の連れ子と結婚させた信義だけは金俊平の事を気にかけており、一緒に正雄の元に来て(その時温泉宿で働いていた)金俊平と一緒に高利貸しをろと言いに行きます。
正雄はマッハで断ります。
そしていつしか生まれていた妾の息子を連れて、金俊平は持ち金すべてを北朝鮮に寄付して北朝鮮に帰るのでした。
そして最後は1984年に、一人ぼっちで死んでいったのでした。
おしまい!
いかがでしたか?
モラハラパワハラDVとやりたい放題の金俊平の一生です。
スケールは小さいものの、現在家族にストレスなく生活しているという男の人はもしかすると家族が我慢しているだけなのかも知れませんよ(笑)
思うんだけどこういう「ド根性」だけでやってのける人って圧倒的に知能が低い気がするんだけどどう?知識が少なすぎるだけ?
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