当サイトの記事はアフィリエイト広告を利用しています。
カケラ(湊かなえ)を一気読みしたネタバレと感想です。
書く時間がないだけで、地味に漫画も小説も読んでます。
冒頭からの独りよがり、からの田舎の農家の娘の気持ちがめくるめくスピードで襲いかかってきます。
写真の帯は違いますが、「ドーナツに囲まれて死んだ少女」のお話です。
なに、その本能!?
甘いものは好きだし、毎年冬にはセブンイレブンのホワイトチョコラスクにはまってしまう。なので気持ちが分かる。
カケラの3行あらすじとネタバレ
注意※結末まで書いてます。
としか、言いようがない。
目次
ロック・ジュウヨン (ガリから中年太りの姉)
ドーナツの真ん中(売れないアイドル)
似たもの親子(父と息子が同級生)
道徳とか、論理とか(ロック・ジュウヨンの妹)
あまいささやき(高校教師)
あこがれの人(ドーナツの娘の育ての母であり同級生)
あるものないもの(ドーナツの真ん中で死んだ子との会話)
カケラ のあらすじとネタバレ
例によって、色々な人たちが主人公をあぶりだすという方式です。
近からず遠からずの人こそが、その人となりを一番的確に表現してくれるので人物像が想像しやすくなるのでしょう。
みなさん「シンデレラストーリー」満載で自分の事ばっかりを話しますが、断片的にドーナツに囲まれて死んだ子の話をします。
カケラは、噂通り『見た目』に関することです。
ロック・ジュウヨン
生まれ持った美しさを持つ整形外科医(女)の所に、村の同級生が親し気にやってきて
「脂肪吸引を安くしてくれ」
と言い出す。
村での思い出話をひとしきり話した後、ドーナツの真ん中で死んでいった同級生の娘の話をする。その同級生は幼いころからデブでからかわれていたのであった。
同じ村のたいして仲良くない同級生が言いたいのは、いくら食べても太らなかった私が中年太りで悩んでいるので脂肪吸引を割引してくれ。ということだったが、整形外科医が興味を持ったのはドーナツの真ん中で死んだ子だった。
ドーナツの真ん中で死んだのは、同じクラスだった子の娘だったのでした。
ドーナツの真ん中
同じ村出身の自分の娘世代の子が、整形外科医に会いに来る。
売れないアイドルをしているが、「鼻を整形してくれ」という。
売れっ子整形外科医なので、順番待ちなんてしてられないという事が目的でした。
売れないアイドルは、同郷のよしみを誘う為、ドーナツの真ん中で死んでしまった子の事を持ち出します。
ドーナツの真ん中で死んだ子と、文化祭で作った、彼女の母親オリジナルレシピのドーナツがいかにおいしかったかを力説します。
(このドーナツ、誰か作って欲しい。すごく美味しそう。はちみつと和三盆なんだって!)
ドーナツの真ん中で死んだ子は、母親のそのドーナツに囲まれて死んだらしい。
似たもの親子
クラスで1番チビだった男の子と整形外科医が、地元の中華で食事している。
これまた、ドーナツの真ん中で死んだ子の母親の話で、デブだったけど痩せた、明るくなったという話をし、
「記憶が更新できない同級生たちが一番たちが悪い。」
という。
ドーナツの真ん中で死んだ子の母親の事を、昔のまんまの記憶で、さも現在もそのイメージでテレビのインタビューでも話す。
(こういう人たちっているけど、どういう頭の中なんでしょうか?人の事をとにかく下に見たいというのは解るけど…。一度した人の失敗ばかりを話して、人のいい所なんて絶対に話さないよね。まあ、よくわかっていいけど(笑)絶対に近づかないようにするし。)
更新できない人たちは、マスコミに昔の悪い事ばっかりを伝え、とうぜんドーナツに囲まれて死んだ子の母親も悪者になっていきます。
庇う父、そして息子はドーナツに囲まれて死んだ子と二人三脚で事件があった子でした。
(父は一瞬だけ整形外科医と付き合ったことがあり、かなり整形外科医を意識している)
●息子の話・・・
息子はドーナツに囲まれて死んだ子の事をほのかに好きでした。ドーナツに囲まれて死んだ子は縦にも横にも大きくて、いつかドーナツに囲まれて死んだ子を抱き上げるためにウエイトリフティングを始めたが、ドーナツに囲まれて死んだ子の体重はどんどん増えて行き、高校生で100キロを超えてしまう・・・。
それからドーナツに囲まれて死んだ子は、高校を辞めて村からいなくなってしまいました。
お父さんの都合で、東京に戻ることが決まったのでした。
その後、東京でばったりと会った時に「どうして高校を辞めることを言ってくれなかったのか」と後悔の言葉をかけると、ドーナツに囲まれて死んだ子は走って逃げたのでした。
悔やまれる息子・・・。
(男は過去が美しく映り、その幻想にしがみつく。もちろん自分が更新されても美しく残る)
息子が最後に話しかけた時「先生が・・・」と言っていたことを、整形外科医に伝える。
道徳とか、論理とか
ロック・ジュウウヨン で出て来た整形外科医の女と会っていた、脂肪吸引の割引を要請した女の妹が登場。
妹は地元で中学教師をしており、整形外科医から連絡が来てこっそりと会っていた。
教師は昔から整形外科医の事が嫌いだが、ここでまた自分の人生を語りだす。
(みんな、自分の人生を語りたくてしょうがないんだなw)
中学教師は、ドーナツの真ん中で死んだ子を教えておりそこでピンときた整形外科医がこの妹に連絡を取ったのだ。
しかし、肝心の「先生が・・・」は高校の教師だったため、そこでまたこの妹に高校の教師に連絡してもらうことに。
あまいささやき
中学教師に紹介された高校教師。
ルールがないと不安・・・という徹底的な昭和教育の塊のような教師です。
そしてこの高校教師が、ドーナツの真ん中で死んだ子に「痩せろ」と言ったのでした。
毎日毎日母親の作るドーナツを持ってくるその子に、体重を管理せよ。と。
こういうキッチリルールが敷かれてないと不安な人は、人にも押し付けるのが嫌いだ。
無神経だから自分のルールが絶対だと思っているし、こういう人は自分よりも下だと思っている人には絶対的強要を強いてくる・・・サイアクな人種。
そういうルールは自分の家族の中でリサイクルしておいてほしい。
湊かなえありがち(登場人物たちの自慢)の、ほらまた始まった留学自慢からの外人の恋人自慢(笑)
から、自分が過去に太ってしまった理由と長々と話だし、その話を聞くところによると
ドーナツの真ん中で死んだ子は高校生で100キロを超えていた。
という事実が判明する。
・・・これは誰でも指導するのでは。この教師の肩を持つわけではないけど、周りの子も注意するだろう。
高校教師が言うには、「心の声はあまいささやきにトコトン弱く、体の声さえ聞いていれば自然に体重管理ができる」と。
確かに太っているのは甘え、そして心が疲れている時にこそあまいささやきに弱い。
体の声が聞こえるようになれば、自然に痩せるのだそう。
(私は自分の体の声が聞きたい)
だが、ドーナツの真ん中で死んだ子は脂肪吸引が原因で死んだことを匂わせて、高校教師の話は終わります。
(高校教師は、整形外科医のせいだと言いたいらしい)
あこがれの人
ついに整形外科医は、ドーナツの真ん中で死んだ子の育ての母(同級生)の家に。
美しく賢く、地位も名誉もある整形外科医の前で卑屈さを隠さない母親。
妬み全開で嫉妬を燃やしながら、「私の気持ちをこれっぽっちも想像できない」無神経な整形外科医に向けて自分の娘の話をしだします。
(しかしまあ、言われた方は永遠に忘れられないってホントですね)
あこがれの人というのは、母親が短大時代に出会ったファッションデザイナーのことである。
そしてなんと、そのファッションデザイナーの子供こそが「ドーナツの真ん中で死んだ子」した。
母親の実の娘ではない事は冒頭で出ていたものの、ドーナツの真ん中で死んだ子の育ての母は、生みの母親に憧れていて、憧れの人の子供を育てるなんて、どれだけ狭い世界なのだ!!!
ドーナツで手懐けて、ドーナツで結婚する。ドーナツを中心に周りの人が勝手に騒いでるような小説です。
あるものないもの
ついに、ドーナツの真ん中で死んだ子が整形外科医の所にカウンセリングを受けに来た時の話にさかのぼります。
カウンセリングを受けに来た時には138キロあり、脂肪吸引の相談に「偶然」来たのでした。
そして誰のせいでもない「自然に太った」ことを語ります。
そして高校教師は、ドーナツの真ん中で死んだ子に向かって、ドーナツの真ん中で死んだ子に悩みがあり太って行った。んだろうという前提(教師の中では確定)で同情や憐れみの目で話しかけて行く。
そりゃ当然嫌われてしまう。ドーナツの真ん中で死んだ子にも、その母親にも父親にも拒否されてしまう。
でもわからないから持ち前の前向きさを隠れ蓑にし『押し付け、強要』でガンガン押しまくる。
ドーナツの真ん中で死んだ子が痩せるまで納得ができないらしい。
そして話は進み、 ロック・ジュウウヨン で出て来た育ての母の昔、小太りの幼少時代を察する話も出てくる。
「人一倍周りの顔色を伺う時期があったんだと思う」
と書いてあるので、いじめられていたこともなんとなく感じたのだろう。この場合は性格や根性がひん曲がった祖母なんだけど。
余談だが、この「人一倍顔色を伺う人」ってのは大抵酷いいじめにあっていた人だよね。これはおばさんになっても変わりはなく、そう言う人は仲良くなると大抵いじめられてたって言ってくる。
【私の心の声としては、だからか!違和感あったんだよね!ちょこちょこ不自然な言動するし、いじめられてたの、わかる~~(笑)この先絶対トラブル起こしそうだし、ちょっと距離置こう。トラブルってのはこいつの事が癇に障るような徹底的に合わない人がこの学年の中にも居るだろうってこと!だって幼少時代のクラスでイジメられてたっていうなら、その割合でこの人の事を嫌う子が居るってことだよ!あんたが理不尽なイジメって思ってるかも知れないけど、嫌われるってそういう事だよ?と思ってしまう私はいじめっ子でもなく、いじめられっ子でもなくふわふわとスルーして離れて行く派。ライフで言えば先生にチクって何もしない派(笑)自己評価が特段高くも無く特段低くもなく、ただ単に自分が好きすぎる故に他人に興味がない。イジメる奴は自分より弱いやつに上だと分からせるためにイジメているに過ぎない。だからと言ってイジメて良い訳じゃない。】
まあ、娘が太ったのはお母さんに母性が無いために自分の娘に、延々と美味しいドーナツや料理を作り続けていただけなんだけどね。
冷静に子どもの事だけを考えられる状況であればこんな母親ってのは減る・・・かもしれない。仕事をし、家事をし、夫や夫の親族が邪魔してその上で子供を見るってのはなかなか難しいもんね。その上母親のこれまでの欲望なんかも入り混じって来るから、本気で子供の事を思えるようになるまで時間がかかる。
そこでまた「優先順位は子どもが一番」という呪いも出てくるし、なかなか素直にはそう思えない人もいるだろう。
いい所だけ取って生きて行きたい、周りの人に当たり障りなく、ってのは「愛でる」とか、他人から見て自分が良くやっているって思わせたいためだけのエピソードづくり(他人に文句言わせない為に実行している為に中身がない行動)だろう。「どこどこに旅行に行きました」「私は子どものためにここまでしています」とかキャラ弁とかもそうなのかも。他人に言いたいだけだろう。自分がしたくてしたことなら別に誰にも言わなくていいし、見せびらかす必要もない。いわばそこで母親の承認欲求を満たすためのアイテム(子ども)なんでしょうね。
特に娘を愛しているとか、夫を愛しているとかではなく、自分以外はどうでもいい人だったんだろう。
この場合の自分以外どうでもいい人は、自分が確立できていない事によるどうでも良さである。
本当に愛している娘だったら、そこまでデブがエスカレートするまでもなく憎まれても痩せるように誘導するだろうし。
憎まれる事も嫌だったし、恨まれることも嫌だったし、子どもにもいつも愛されたかった事が先で、人を愛することの意味なんて考えてなかったんじゃないかな?
自分がされたかったことを、娘にしてあげて満足しているだけ。
娘も嫌うことなく母に依存してしまう。
だから愛することを知っている(高校教師は微妙だけど)であろう、本当の母親の親族と父親はは育ての母親の育て方が悪いと涙を流し、一方的に育ての母と娘を引き離そうとします(これも思い込み激しいというか、他人に任せておいて文句だけ言うみたいな不快な感じです。だからといってどうすればいいのかは分からないが。)
そして空気の父親は登場全員に【あいつ】呼ばわり。確かに最低だ。けどそんな父親は沢山いる。ここで父親最低論を大きな声で言っておかないと、最低な父親が普通の父親認定されてしまうので、もう一度言う。【最低な父親】だ。
生みの母親は、たぶん父親の事が本当に好きだったんですね。それでも惚れた腫れた、許せないを通り越してドーナツに呪いをかけた。巻き込まれた人(育ての母と娘)は散々であるが、巻き込まれた側は自分の意思が無かったのでしょうがない。
何でも自分で考えるだけの脳みそは必要だわな…。想像力は必要だわ。
だからこそ、ただ単に愛する人のいう事だけを聞いて生きて行くのは【悪】である。と言い切れるのではないでしょうか?
(叱らない子育てはまさにこれ!)
育ての母は育ての母で、憧れの人に自分の魅力(生命力とか)を見せつけて優越感を感じたかっただけだったのでした。基準を他人にするから歪んでしまうのだとあれほど(笑)
育ての娘と引きこもって要求されるがままにドーナツばかり作っていたある日、ヒステリックで他人の事は一切認めようとはしない間違った無神経な強さを持つ高校教師が「虐待である」とやって来る。
引きこもっていた育ての母は、生みの母親の幻想を見てしまい、いろんなものを手当たり次第に投げつけていたが、それがドーナツの真ん中で死んだ子(育ての子)であり、血を流して死んでしまったという事である。
おしまい!
・・・かなえちゃんらしいわ(笑)
湊かなえおすすめ小説:母性の感想