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斜めから見た 大人の読書感想文

何も考えず見れる 気持ちの埋め方 男と女

ぐるりのこと。 の映画のネタバレと感想

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こんなに努力しているのになんで人生は思い通りに行かないのか。という女性を静かに支える夫。とある夫婦の10年を描いた映画。

本当にその辺に居そうな夫婦の内側を見たような気がする映画です。どこの夫婦も蓋を開ければ山あり谷あり、外側からは見えないだけで色々ありますって。

元は梨木香歩のエッセイ本。

ぐるりのこと。の三行あらすじとネタバレ

注意※三行で結末まで書いてます。

出版社に勤める妻は、両親の不仲もあり式も挙げずに入籍だけしていました。子供ができるのを待ちわびて、夫に強要したりと子作りに頑張りましたが、死産に終わります。そこから妻がドンドンと病んでいきふさぎ込みますが、夫はそっと寄り添います。翌年妊娠するも勝手に中絶してしまい、ますます落ちていきます。そこから少しづつ、少しづつ立ち直って行く妻なのでした。

頑張れば頑張るほど心に傷を負い、見ている側まで心がちくっとしてしまう。すっきりした最後ではないものの、緩やかに再生していく様子が心地いい映画です。

変にパワーを入れなくても人間は再生できる。

ぐるりのこと。 の映画のネタバレと感想

出版社に勤めている妻の翔子(木村多江)は生活力のない夫カナオ(リリーフランキー)を支えています。

カナオは靴の修理のバイトをしていましたが、友達にテレビに流す「法廷画家」の仕事(一枚8万円)の仕事を持ちかけられます。

超絶マイペースで女好きのカナオは悩みます。

翔子は現在妊娠しているのでした。

祥子は父が愛人を作って家を出たという経緯があるため、幸せの形というものは目標を作ってそれに沿っていくものだと勘違いしている節があり、今でも週に三日は仲良しの日と決めて、カナオにも強要していました。

それでも祥子は結婚に自信が持てずに結婚式はしていませんでした。

几帳面な祥子とのらりくらりと流れるように生きているカナオ。几帳面な祥子が納得できるようにカナオが好きにさせているという感じです。

祥子はそんなカナオの気持ちを知らずにドンドンと決め事を増やしていきます。(息が詰まりそう)

それでも仲良く夫婦としてやっていました。

そしてカナオは法廷画家として頑張ることにし、祥子の実家の兄はバブリーだったためそんなカナオの事が心配でしょうがありませんでした。カナオは法廷画家以外にも絵画教室でも教えていました。

バブリーな兄夫婦は、祥子とカナオに結婚&出産祝いとして分厚い封筒を差し出しますが、祥子の母がすかさず取り上げました。

ゲスイ祥子の母をカナオがどう見ているか心配し、祥子がカナオの顔を見ると「なんでもいい」カナオの表情は一つも変わらずに祥子はホッとします。

時は経ち、二人の家は暗く沈んでいました。

祥子は決まり事も放棄し、位牌の前で座っています。

子供は死産だったのでした。

子供を迎えるために用意したベッドやグッズ、服などに囲まれて祥子の心は暗く沈んだままでした。

そんな日でもカナオは法廷に出向き、やり切れない事件を前に絵を描いていきます。カナオはカナオで心が疲れていくのでした。

そして心機一転引っ越そうとした祥子は、カナオのスケッチブックに亡くなった子供のスケッチがあるのを発見し、また落ち込んでしまいます。

しかしその後、祥子はまた妊娠します。が、死産の辛さが悩みとなって誰にも黙って中絶してしまうのでした。

祥子は仕事でも子供の出版があると思わず泣いてしまいます。常に気持ちはぐちゃぐちゃでついに仕事を辞めて心療内科に通いだしました。

家もぐちゃぐちゃになる中、カナオは言葉こそかけませんが見守っています。

カナオも子供に関する事件の法廷画家をしたりと、心の負担は大きくなっていきます。

一方で祥子の兄もバブルがはじけて、実家に家族で帰ってきていました。

祥子は義理姉に心療内科に通っていることを責められ、また子供を作れと残酷で身勝手な言葉を吐かれてしまいます。

今まで心を押さえつけていた祥子はついにカナオに気持ちをぶつけて、どうしたらいいのかわからない。と言います。

ずっと不安定な気持ちのまま祥子は暗い闇をさまよっている気持ちでした。

カナオは優しく受け止め、また二人の気持ちが通い始めます。

祥子の張りつめていた糸が一気に緩んだのでした。

しっかりと受け止められた祥子は少しづつまた笑顔が戻ってきます。

祥子は病院の先生に言われて、寺に通い始めました。祥子もまた画家を目指していたことがあり、寺で天井画を頼まれます。

祥子も生き生きと絵を描くようになりました。

その頃、祥子の父が末期がんだと知らせが入りました。

カナオと一緒に父に会いに行き、報告しに実家に行くとこれまで父が愛人を作って出て行ったと聞かされていたが、実は母が裏切ったこと。そして未だに両親は離婚していないことを聞かされます。

その時、実家は兄のバブルがはじけたため、実家を売ろうとしていましたが父がまだ元気だと聞いて実家の面々は短絡しました。

カナオは父の笑った絵を差し出すと、母は気が付いたのか実家は売らない。兄たちは兄たちで頑張ってくれ。と言い切りました。

兄たちが帰った後、母はカナオに礼を言い、改めて祥子の事を頼んだのでした。

母もまた、父の笑った似顔絵を見て久しぶりに心が落ち着くのでした。

(兄一家は自分のこと、金の事しか考えていない。)

時間は経ち、祥子が取り組んでいた天井画が完成します。

本堂の天井を埋め尽くした祥子の絵をカナオと二人で寝転んでみていると、二人とも幸せに包まれます。

カナオもまた、仕事で辛いことがあっても祥子の笑顔のために頑張ろうと思えるように気持ちが変わって行くのでした。

二人の寝室には、金屏風の前で撮った写真が飾られ、夫婦はこれからの夫婦として新しい形でスタートを切るのでした。

おしまい!

法廷画家の事を知ったのもこの映画だし、天井の絵を気にするようになったのもこの映画。

見たころは子どもはいなかったけど、なんとなくこの夫婦もすぐまた子供作るんだろうなーと思っていたから、二回目の子供ができた時にはびっくりした。

祥子の心の傷が深かったんだろう。完璧に生きてきた人が折れてしまうと、その分修復するのに時間がかかるんだろうな。

だからこそ「しなやかに強くなる」という事が大切なんだろうと思う。

でももし、自分が死産だったらと思うといたたまれない。稀に見る良作です。

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