小説 思春期 胸糞悪い話

少女葬の小説のネタバレと感想

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少女葬の3行あらすじとネタバレ

注意※三行で結末まで書いてます。

金金金の暴君に育てられた娘は家出し、極安シェアハウスへ。知り合う人すべては底辺で生きている。底辺に引きずられないように生きていると助けてくれる人が現れる。しかし底辺に引きずられて生きている人たちの身近な死について主人公が思う事。

少女葬のあらすじとネタバレと感想

少女葬という名前の前はFEED(2016年)というタイトルで販売されていたが、令和元年5月より「少女葬」に変えたようです。

ま、絶対に少女葬の方が手に取ってもらえるから正解だわな。先に買ってた人は間違えて買ってしまって「もっとアピールしてて欲しかった・・・」という気持ちにもなるだろうけどさ。

「こいつはどす黒い!」と知人にご紹介されたので、買ってみた。久々の一気読み(寝られない)。さあ少女葬の感想行きます!

ティッシュ一枚使う事にも「俺が金を出してやっている」という父親(教師)と従順にしたがう母親。思えば母親に自分の意思はない。そういう母親を父親は選んだからだ。因縁をつけてストレスを解消する父親。きっと父親の父親もそうだったのだろう。

そういう母親って・・・・・結構いるよね(笑)

こういう父親がこういう女選んでるんだー、へー勉強になりましたー。みんなどこかに需要と供給があるのねー。

さてこういう母親は子供の事を盾にして父親に差し出す。罵倒や暴力から逃げるために。

子供からは泥人形のようだと思われつつも、自分の意見は出せない母親。

とにかくもう、金金金、金がかかる!!が口癖の支配欲全開の父親から逃げたい一心の少女がお年玉や小遣いを一円も無駄にせず、ある日突然家出する。

捜索願は出されない、探偵も雇わない。金がかかるから。でも、もしものために隠れて暮らす。

父親からすれば言うことも聞かない、勝手に家出する自分の得にならなくなった娘(名誉)なんて、自分の中の汚点にしかならないのだろう。

そんな少女が家出して住んだところが、敷金礼金無し、保証人無しの格安シェアハウス(ドヤ)だ。

本当に匂ってきそうな貧困住まいの描写がうまい。

少女は父親の「いい子」を演じてきただけあって、育ちがいい。ずっとここに居てはいけない、風俗はしてはいけないと強い芯がある(この時処女)

そのシェアハウスで出会ったのがもう一人の少女。目先の事しか考えられない母親から生まれて、母親の彼氏にもやられる、母親はヒスる。わざと彼氏の前で変な服装とかさせて、それを彼氏に見せてひどいことを言わせるように仕向けて、彼氏の後ろでにやりと笑い蔑むようなクズっぷり。娘にもマウント。

当然目先の事しか考えられない少女は落ちていく。・・・そこまで目先の事しか考えられないわけではないのだが、受け入れる、濁すことでしか生きられない。

周りがそうだったから。

見本が居ないから、きらびやかな生活や、「仲間」や「家族」というキーワードだけを追い求め、本質を見られない。正解を知らないからだ。

(仲間や家族とか愛とかを出してくる人を私は、どこかでいつまでも追い求めて手に入らない人。とか、そこにすがるしかない人だと思っている。だからこそ親友、仲間、家族、愛を声高らかに何度も言う。)

このもう一人の少女は、シェアハウスの中の母親的存在に依存する。

その母親の名前は「美津子」。

これは覚えておいて欲しい。絶対にこんな奴いる。

美津子はゲス偽造家族を作り上げ、まとめる役目を仰せつかっている。シェアハウスのオーナーに。

その分家賃を無料にしてくれてるんだけど、普通に考えてそれくらいの賃金に甘んじている(しかもドヤってる)んだからまともな生き方はしてきていない。

たまーに、しょうもない愚痴とかを率先して聞いている人いるけど、あれって聞いて最後に蔑みたいだけだからこんな人に相談するのはやめた方がいいと思うよ。美津子と考えてることは同じ。

つまりこういう人はゲスの中でゲスのメリットがあると思った方がいい。

普通の人はメリットとも思わないような事が、この人たちにとってはメリットなんだ。かかわるのはやめておこう。世界が違う。全くもって違っている。

そして殺された少女は本当のリンチに合って殺される。殺された少女が回避性パーソナリティ障害なら、殺した方の奴らは自己愛パーソナリティ障害だ。ちょっとおかしい。川崎の事件を思いだした。

はじめに出てくる少女は、まともな感覚で生きているから努力ができる。殺された方は努力をしようとしない、努力している姿を目にする機会や、まともな大人が身近にいなかったんだろう。

このシェアハウスには、普通に生きていたら想像もしないようなゲスが沢山出てくる。

こういう所で幅を利かせて束ねられるのは「とにかく強く言えること」だろう。

そこでおかしいと思うか、そんなもっか。と流されるかで今後の人生はかなり変わっていくだろう。

櫛木理宇という人の本を初めて読んだが、「赤と白」や他の本も面白そうだし参考文献に挙げられた

「漂白される社会」開沼博 ダイアモンド社 

「貧困の現場」 東海林智 毎日新聞社 

なんかも面白そうだ。

胸糞悪さ ★★★★★ 星5つ!

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こういうバランスを崩した人たちの話の本を読むのが好きだ。

なぜなら生活圏内に居たら100パーセント無視するから。興味はある。けど関わらない方がいいのは 絶対 だ。

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