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登場人物の全員がなぜか辛くなるこの小説&映画。
どの立場にもならないが、しいて言うなら周りの人の冷たい目線くらいか。しかも誰の立場も安易に想像できるのが辛い。
小説も読んだがあえて映画のネタバレを書こうと思う。あんまり違いはない。
最後に弟が小説ではバンドをしているが、映画では漫才師となって兄の前で披露する。
手紙の三行あらすじとネタバレ
弟の結婚相手というのがかなりけなげな沢尻エリカの若いころ。めっちゃかわいい。
手紙のあらすじとネタバレ
幼いころに両親を亡くした兄弟は、兄が働いて生活を支えていました。この世に肉親は二人しかいないため、それはそれは本当に必死で働いており、弟もそんな兄を支えていました。
兄は弟(山田孝之)に大学に行って欲しいと思っています。兄は弟に、自分がしょうもない仕事しかできないから大学に行けば、きっと弟はいい暮らしができるのだと思ってます。純粋に。
兄はどこか世間知らずで、世の中の渡り方が非常に下手です。これは今から思うにケーキの切れない非行少年と、両親が早く死んで相談できる大人がいなかったという意味では誰も僕を見ていないの両方が合わさった世間の隙間にびちっと入ってしまった不幸な兄弟ではないでしょうか?
兄は肉体労働ばかりで、それでも無理して頑張って居た時に腰を痛めてしまいます。
それでもお金が欲しい兄は「空き巣」をすることにします。しかしあっさり家人に見つかってしまい、家人を花瓶で殺してしまいます。
強盗+殺人で強盗殺人という重い罪に問われて、兄は無期懲役を受けてしまいました。弟は思います。兄は自分のために罪を起こしたと。
兄思いの弟はせっせと手紙を書きます。そして兄も手紙を送ります。
弟は大学を諦めて工場に就職します。友達と漫才コンビを組んでデビューを目指しますが、工場のみんなは「犯罪者の弟」という冷たい目線で見ます。
工場に同じ年頃の女の子(沢尻エリカ)が居て、弟の事をかばい好意を見せますが弟は誰にも心を開きませんでした。
どこまで行っても「犯罪者の弟」という差別の目が付いて回り、弟はいつしか転職と引っ越しを繰り返すようになりますが、兄には心配させないようにと手紙を送ります。弟は兄が自分のために犯罪を犯したことが次第に重荷になってきていました。
それでも続け居ていた漫才。次第に売れてきて、弟も社長の娘と付き合ったりして人生が上に向いてきました。しかしそこにネットパトロールが現れて兄の事を暴露されてしまいすべてがボツになります。
(ネットパトロールしてる人は何かにコンプレックスを抱いている人であり、本人がコンプレックスを抱いている間は決して辞められない。他人の一か所だけを切り取り「言質取ったどー!」ってな感じ。自分の事は棚に置いて。)
今まで頑張ってきましたが、相方に迷惑がかかるため弟だけ辞退します。
弟は何をしても「犯罪者の弟」という事が付きまとい、人生すべての邪魔をされていきます。
そんな弟の事を普通に接してくれるのは、はじめの工場に居た弟の事を好きな女の子と、漫才の相方だけです。
女の子もまた、借金で家族がバラバラになった過去を背負っていました。
弟が兄に手紙を書かなくなったのを知って、女の子が代わりに手紙を書いて出していました。
女の子と弟はやがて女の子が生まれます。しかし女の子は、私が差別されるのはいいけど、娘が差別されるのは耐えきれない。とついに弱音を吐いてしまいます。公園で遊んでいても、娘が行くとパーッと避けられてしまうのでした。
弟もこれには参ってしまい、悩んだ末に兄にこれまでの事を全て書き記して「もう縁を切りたい」と申し出てしまいます。
そして、兄の全てを清算してしまおうと兄の被害者に会いに行くと、そこにも毎月手紙が来ていました。しかも弟を想った手紙が。
弟はそれを見て号泣します。
そこに丁度、漫才コンビの相方が慰問を受け、弟を誘います。堂々と兄の前で漫才ができるチャンスです。弟は慰問に行き、「どうやっても切り離せない兄だから」というネタを披露します。弟は兄の事を受け入れることができました。
兄は号泣するのでした。
おしまい!
現代なら適切な処置がされそうな兄もまた被害者であり、誰が悪い訳でもないところがまた胸糞悪い。
親は遺産も保険金も無かったのかという事にもまた憤慨してしまう。だってその頃は誰もが親が保険をかけていてというのが常識だったから。やはり兄を生んだ親なのか…という事を彷彿させてしまう。あんまり親の事は出てこないから想像だけど。
兄の気持ちは一貫して弟を想い、弟は外の世界で気持ちが変わっていくという様子をじっくり味わえるので小説の方がおすすめかなー。でも映画の沢尻エリカも見て欲しい(笑)
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