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きみはいい子 の小説と映画のネタバレと感想

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きみはいい子の映画の3行あらすじとネタバレ

注意※三行で結末まで書いてます。

新任の小学校教師(小4担当)は生徒のおもらし、ネグレクト、虐待、クレーマーなどに疲れ切っている男。ママ友とマウントと自分が虐待されたので子供にも虐待してしまう女。自閉症の息子を線一本の所で頑張って育てるシングルマザー。これらを癒したのは『抱きしめられる』という行為だった。という物語。

きみはいい子 は 中脇初枝の小説。

小説の感想は映画の後にあります。

大阪2幼児置き去り死事件を含めた児童虐待、いじめや社会問題を浮き彫りにした5つの短編集である。今回は3つの話を映画にしている。

見る前は、ヒドイ虐待をイメージし、暗い話を予想していたが、あっさりといい方に裏切られた物語である。

目次

きみはいい子の映画のあらすじとネタバレと感想

新米の教師の男は小4を担当することに。

しかしクラスはまとまらない。ある日、夜尿症の子が教室で授業中におもらししてしまう。保健委員に保健室を頼み、その間におしっこを掃除するが、その日職員室に一本の電話が。

おもらしした生徒の親が、子供が先生が怖くてトイレに行かせてもらえなかった。と言っているというじゃありませんか。

そんなこと言ってないし、被害妄想もいいところだが学年主任はとりあえず謝れという事なかれ主義だった。生徒に気を使えというのを変な意味で徹底している。

男が次の日、トイレはいつでも行っていいとクラスのみんなにいうと、収拾のつかないことになってしまい半学級崩壊が始まってしまう。

そしてクラスの子にも問題は山積み。

給食費を滞納してる子がいつまでも運動場から帰らないを見て、話を聞くとどうも母(看護師)の彼氏が仕事に行っていないので家にずっといて、五時まで帰ってくるなというらしい。

家に着いていくと、おらついた、しょうもない、本当にしょうもない男が、先生にもおらついてくる。しかも家はボロアパートだ。

『母の彼氏』ってすごいパワーワードだと思うんだけど…。

すごすごと引き下がる先生。

次の日、保健室で教頭などと一緒に虐待を受けていないか尋問する。

本当に、尋問だ。

尋問されて素直に言えるくらいなら、子供が虐待を隠してないと思うんだけど・・・。

そして服を脱がすのは学校的にはNGなので、学校では子供の虐待は無かったことに。

食い下がる教師だったが、保健室の先生は「担任の先生には言えないけど、ここでは言える子がほとんどなんですっ!」(だから虐待はないんですっ!あなたには生徒の気持ちがわからないんです!)と言い切る。

保健室の先生に言いたい。お前が法律なのか。お前が絶対なのか。感情で決めつけていいのか。

学校としてもなかったことにしたいから、学校はそれでOK!

モヤモヤの積もる教師。

ある日、姉が子供を連れて離婚するために帰ってきた。

元気いっぱいの子供。ある日教師が凹んでいると、これまで自分本位に暴れていた姉の子、甥っ子が教師に抱き着き、元気出して。と何度もつぶやく。

教師は抱きしめられて精神的な疲れが飛ぶという、気持ちがほぐれる心境に。

自分が気持ち良かったので、次の日の宿題は無神経にも

「家の誰かに抱きしめられてくること」

にしました。

虐待の子も「絶対宿題してくるね!」と言って帰るが、次の日から虐待の子は学校には来なくなっていた。

先生は他の生徒に宿題の感想を聞いてみると、

いつも抱きしめられてる。という子。

恥ずかしかったけど嬉しかった。という子。

恥ずかしがるけど宿題はした!と強がる子。

抱きしめられると心が嬉しくなる。という子。

それぞれに感じてくれたことが教師は嬉しかった。

一方では痴ほうが進む一人暮らしの老女。

老女の家の前をいつも帰っていく自閉症の子はいつも老女に挨拶をする。

ある日老女がスーパーで万引きしてしまう。

責める店員。

そしてある日、自閉症の子がカギを無くしてしまい、老女の家で保護する。

久しぶりに家に誰かが来てくれて嬉しくてもてなす老女。老女には弟も親もいたが戦争で亡くなっていた。一人ぼっちで生きてきたのだった。

老女の家に自閉症の子の親が来ると、スーパーの店員だった。

スーパーの店員は子供の障害のことでいつも誰かに責められてばかりだったので、その日も平謝りするが老女に子供の事を褒められて張りつめられていた糸が切れてしまい泣いてしまう。

慰める老女。

仲良くなり、自閉症の子の授業参観にも老女は呼んでもらえる。嬉しそうな親子と老女であった。老女もまた、戦死した弟への心残りを自閉症の子のを通してやり直していくのだった。

もう一つの家族は、ママ友地獄。

そして自身も虐待をされてきて、娘にも虐待をしてしまう女。

外では張りつめたように生きているが、幼稚園マウントに巻き込まれそう。

そこにちょっと変な適当ママが、話を聞いてあげる。

適当ママは虐待ママが虐待しながらも頑張っているのをわかって見守っている。

あるきっかけがあって、虐待ママを抱きしめて「私も虐待されて育ったから、あなたの気持ちはよくわかる」と更に抱きしめる。

適当ママもおでこにたばこの跡が。虐待ママも腕時計の下に跡が。

そして適当ママが一緒に泣いてやることで、二人は心を通わせ、子供にもいいように作用しだします。

この映画は全て「抱きしめる」ことで解決に向かっています。

張りつめた心を溶かしてやることで、簡単に問題は解きほぐれていくのだと。

・・・号泣!

泣かされてしまう度 ☆☆☆☆☆ 星5つ!

とある講演会で、親子の問題は全て抱きしめることで解決する。

愛されているというのを肌で感じる事が一番簡単であり、どんな言葉よりも元気になれる。という事を繰り返しその人は言っていた。

映画を見ながらその話を思いだし、子供を抱きしめようとしたが拒否られ、眠っている時に勝手に抱き着いた(笑)

抱きしめる方も、抱きしめられる方も心が癒される。

きみはいい子の小説のあらすじとネタバレ

同じ町内で住んでいる家族が、老人から子供までそれぞれの思いで毎日を一生けん命に生きているのに、狭いコミュニティである家族がうまくいかない思いを綴っている。

・サンタさんの来ない家

・べっぴんさん

・うそつき

・こんにちは、さようなら

・うばすて山

の5つの話から一冊になっている本です。

映画になっていないのは、うそつき と うばすて山。

「うそつき」の短編は同じ町内で育ち、そこで家庭を築いている男性。

幸せな能天気な嫁をもらい、ちょっと変わった息子を持つ。息子にできた友達の家が継母であり、毎日のようにやってくる息子の友達を快く受け入れる。

息子も友達が辛い環境なのを嘘だと言って受け入れる。知らないうちに辛いことを飲み込んであげている・・・。というストーリー。

その家族はグリム童話を例に出し、

「悪いお妃は悔い改めることなく、最後までいい人にはなれない。焼けた靴を履かされて死ぬまで踊らされる。きっと彼女は不幸だったんだろう。おそらくは生まれてきたはじめから。

幸せな人だけが幸せを人に分けてあげられる。きっと七人の小人たちも幸せだったんだろう。」

きみはいい子 中脇初枝 ポプラ社

幸せな人は幸せではない人に幸せを分けてあげることができ、その幸せを受け入れることができるのは本人が一番辛いけど、幸せを分けてもらえる。

しかし他人の幸せをもらう事をはねのけて毒を吐くやつは、死ぬまで不幸でありつづけるという・・・。

不幸を止められる人と、不幸を連鎖する人がいるからそればっかりはしょうがないのかな。でも幸せなのに不幸を作り出す人も居るよね。そういうのは不幸を乗り越えたけど、不幸の呪いの呪文が解けないから他人に毒を吐いて自分の呪いを薄めているのかな? どっちにしろ、不幸を作り出す奴には誰も寄って行かないようになるから不幸になって行くと思う。

「うばすて山」は、思う存分に娘を虐待した母がぼけて施設に入れるまでの話。

虐待された側は忘れないのに、ぼけててもぼけてなくてもした方は忘れる。

それでも母を捨てれない。

母に言われた呪いの呪文から逃れられない。

苦しみながら生きていっている女性で締めくくり。

・・・映画から見て小説を読んだけど、小説を読んで映画を見た方が良かったのかな? どっちにしろ映画は泣ける!小説も染みる!

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